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猫の恐怖

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 昨日の朝も、いつものようにドンと散歩に出た。夏にむけてできるだけ日陰のコースを歩く。あるお宅の前に毎朝寝そべる猫がいる。ドンを見ると背をまるめて威嚇をしてくるが、いつも難なくその前を過ぎる。ところが昨日はちがった。通り過ぎようとしたドンをめがけて、大きくジャンプをして攻撃してきたのである。あわてたOpaはそれを足で払いのけようとしたが、うまくいかない。ドンの悲痛な声があたりに響きわたり、その場にうずくまる。猫はいくら払いのけても攻撃をやめない。そこへあろうことか、どこからともなくさらに2匹の猫があらわれて、3匹の猫が無抵抗のドンに波状攻撃をしかけ出す。Opaも必死で猫を足蹴にするが、無抵抗のドンをとても守りきれない。そんな猫どもとOpaは夢中で何分戦っただろうか。突然のただならぬ出来事、どうしてその場から離れられたのか今もって思い出せない。恐怖心で尾を下げて、Opaのズボンに身を寄せて地面にはいつくばるようにしか歩けないドンをはげまし、ほうほうの体で帰宅する。はたしてドンの身体には、猫の犬歯のかみ傷が二つずつ何カ所にもあって血をにじませている。すぐに獣医科で消毒をたのみ、化膿止めの抗生物質をもらう。傷の手当てはできても、思いも寄らぬ突然の恐怖心を、ドンは生涯忘れられないかもしれない。Opaとて猫のこんなに凶暴な一面は初めてで、大きなショックをうけた。炬燵にもぐり本棚の上であくびをする、子どもの頃から抱いていた猫の気楽なイメージは、一朝にしてけしとんだ。猫をかぶるという言葉のうらに、こんなにも凶暴で危険な現実が秘められていることを知った朝であった。

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by mizzo301 | 2018-06-26 15:32 | エッセイ | Comments(0)

緊急地震速報の朝

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 その朝、Opaはキチンにいた。とつぜん胸ポケットのスマホが、ジシンデスジシンデスと騒ぎ立てる。えっ、地震!? 右手に包丁、左手にトマトを持ったままはその場に立ちすくむ。どうしようと思う間もなく、ぐゎしぐゎしとキチンがはげしくゆれる。足下にうずくまっていたドンが驚いて跳びはねた。なにせ築48年の陋屋である。Opaはといえば、恐怖心で腰をぬかして身じろぎもできない。揺れがおさまっても、心臓がいつまでもぱくぱくする。緊急地震速報でなんらかの行動をおこすどころか、それはただOpaの臆病風をあおるだけであった。さいわい棚のものが落ちるなどの被害はない。阪神大震災はひどかった。2階の本棚がくずれ、階下への通路がふさがる。テレビはころがる。きちんでは観音開きの食器棚が、大量の食器をはきだして割れる。風呂の壁のタイルがすべてはがれ落ちて、岩風呂になるなどすさまじかった。震源地の北部の友人知人たちは、どうやら今回そのような被害にあったらしい。でもみんな無事で元気な声をきかせてくれて安堵した。一方、地震という不意打ちで尊い命を落とされた方々もおられる。なかでも指定の通学路を守って登校途上だった少女の死はあまりにもいたましい。

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by mizzo301 | 2018-06-20 16:53 | エッセイ | Comments(0)

河童の湯

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 およそ一日の家事のなかで、Opaは風呂洗いがつらい。柄付きのスポンジをかまえて、浴槽に向かう身体の微妙な角度が足腰にこたえる。電動の用具も考えたが、適当な置き場がない。やはり手動しかないかとあきらめて、せめてもと柄の長いスポンジを買ったがこれがまたよくない。片手では先端のスポンジに力が入らず、浴槽を十分こすり洗いができない。ならばと両手で柄を持って作業をすると、上体が不安定の上に足腰にはよりいっそうこたえる。ならば浴槽を洗わずに、湯を替えるだけで毎晩入浴するのはどうか。試したがこれは二晩が限度である。三晩目、浴槽の底で足をすべらせ、あやうく仰向けに倒れそうになった。それでも肩まで湯につかり手で浴槽をなでると、ひどいぬめりようである。二晩目とは比べようもない。一晩でここまでちがうかと驚いた。雑菌どもが大繁殖しているのだろうか。今さら湯を替えるのはめんどうくさい。気にせずに首までつかってふーっとため息をひとつ、やがて極楽タイムがきて、ひどいぬめりも気にならない。慣れとはこわいものである。やっぱりお風呂っていいな。こうなりゃ三日といわず、一週間でも十日でも同じぬめる湯が緑色になるまでつかって、古沼の老河童になってやろうか。キュウリあったかな。

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by mizzo301 | 2018-06-04 17:54 | エッセイ | Comments(0)