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馬肉のステーキ

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 千葉に住む娘たちが、うまいイタリアンの店があると帰阪のたびにいう。食い意地は腰痛よりつよし、そのうまいとやらいう店をこの目で、いやこの口で確かめてやろうではないか。Opaは関空を飛びたった。八月初めのことである。店には二晩の予約を娘に頼んだ。一夜は肉、一夜は魚である。肉の日のメインは馬肉のステーキであった。脂身のない肉のソテである。馬だけにうまい。信州のスキー宿で食った馬刺しを思い出す。宿の主が大酒家で、毎晩馬刺しで酒盛りをした。生食である。これがうまかった。タルタルステーキも本来は馬肉だという。馬は生食があうのかもしれない。その前に出たトリッパがまたうまかった。牛の胃袋、焼き肉屋でいうセンマイの煮込みである。むかしフィレンツェの市場前の食堂で、女主人のお薦めがこれだった。トマト風味でうまかったのを覚えている。二日目の魚はメインがシタビラメ、ソースたっぷりのムニエルであった。美味しかったが残念ながら、これよりはるかにうまいシタビラメのムニエルを、かつてOpaは毎週食っていた。結婚をひかえて阿倍野の調理教室で学んだという、亡き連れあいのムニエルは、からりとした仕上がりでほんとうにうまかった。
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by mizzo301 | 2017-08-23 16:04 | エッセイ | Comments(2)

ひまわり

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 Tさんは三ヶ月ごとにOpaを訪ねてくださるケアマネージャーさんである。やさしく親身になってお世話をしていただいてすでに四年になる。来訪時にはOpaの脚腰の具合を気遣いながら、よもやまの話しにもよく耳をかたむけてくださる。音楽好きの人でもあるからつい話しがはずむ。ふだん人と話す機会がないOpaにとって、彼女の来訪は人と日本語で語りあえる数少ない機会である。今回の来訪時には、ひまわりとミントの花をたずさえてくださった。ありがとう!善は急げ、すぐさま空き瓶に水を入れて無造作に差して壁ぎわにおいた。人の哄笑にも似た明るい花である。まことにゴッホだなあと思った。ところが翌朝、ゴッホの元気がない。花茎をU字に曲げて花がすっかりうなだれている。あかんがな!Opaおおあわて、花をひき抜いてほとんどの葉をむしりとる。たっぷりの水で水切りをして、新鮮な水に差しなおした。およそ一時間ほどで、なんとゴッホは快復し始めた。首筋をのばして再びけらけらと笑い始めたのである。水切りってすごい!人間にも効くかなあ。まさか水中で足を切るわけにはいかない。爪でも切って試してみるか。
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by mizzo301 | 2017-08-12 16:05 | エッセイ | Comments(2)
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 八月の初頭、灼熱の大阪とちがって東京は意外に涼しかった。案内をたのむはずの娘に思いがけない事故があって、Opa久しぶりにひとり東京見物となった。とはいうものの頼りない足腰、長くは歩けない。ホテルの真下にある駅から東京まで電車でおよそ30分、今回の二日間2往復の車内ではさいわい空席にありついた。まずは予定していた、東京ステーションギャラリーで、不染鉄のどこか飄逸の日本画を堪能する。会場には何カ所もいすが置かれていて、鑑賞は楽ちんで大いに助かった。翌日は予定外の美術館巡りである。日本橋の三井記念美術館で「地獄絵ワンダーランド」、源信の往生要集が説く地獄極楽を元に描かれた、おどろおどろしい地獄絵の数々を見る。会場にいすを求めながらちょっと退屈。タクシーで上野へ。西洋美術館でアルチンボルドの奇っ怪な寄せ絵を見る。こちらはかつてウイーンでもお目にかかっている。常設展も見たかったが、足腰がもうあかん。さしたる感慨もなく、ペットボトルのお茶を買って公園の一隅に腰をおろす。鳩や雀が足下の水たまりに寄ってくる。はた目には孤独な老人ってところかな。ひとり椅子取りゲームのような美術館巡りは終わった。今夜は娘夫婦の招待で、船橋のイタリア料理店が待っている。花より男子、いや団子である。
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by mizzo301 | 2017-08-10 12:05 | エッセイ | Comments(0)