カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

<   2017年 03月 ( 3 )   > この月の画像一覧

通い猫

d0087054_21595942.jpg

 お天気がよいと必ず訪ねてくる猫がいる。静かにやって来て、ガラス戸の外からOpaに一瞥をくれると、そのままガレージの屋根をおおう冬枯れのモッコウバラのしげみにしゃがみ込む。いつも同じ場所に何時間もいる。よく見てやろうとガラス戸に近づくと、しっかりと目があう。文句でもあるのかといわんばかりに、決して目をそらそうとしない。たじたじとOpaが退散すると、またその場にまどろむ。ドンが気づいてほえたてても、動じない。ガラス戸で隔てられている間は大丈夫とわかっているのだ。実は彼女が雌猫であることをOpaは知っている。昨秋のある日、子猫をくわえて裏のブロック塀を移動する姿を目撃したことがある。どう子離れしたのか知らないが、もとよりホームレスのノラ子である。食べ物はどうしているのか、どこで雨露をしのいでいるのか訊いてやりたいが、そうすればさらに情がうつるだろう。モッコウバラのしとねはいつでもどうぞ。でも飼ってはもらえぬ、気の毒な境遇ではある。一方、貴志駅長ニタマ女史の悠然とした日常に思いをはせると、猫たちも激しい格差社会に生きていることがわかる。
[PR]
by mizzo301 | 2017-03-15 22:02 | エッセイ | Comments(2)

晩秋のひと仕事

d0087054_22261028.jpg

 春の陽気を思わせる日がつづいたかと思えば、突然冬に逆戻りの朝もある。春は名のみの風の寒さや・・、 このところの天候は、早春賦に歌われるとおりの気まぐれである。そんな中、プランターや鉢植えの花たちは、そんなことにはまるで気づかぬふりで、実にけなげに咲いてくれる。昨年の秋もおそくに、近所のホームセンターで、苗を買って植えた花たちである。痛い足腰をなだめながら、鉢とプランターの古い土を掘り返し、腐葉土とあたらしい赤玉土、ほんのひとつまみの肥料を混ぜ返す。Opa我流の土作りである。買った苗を植えて作業は終わる。毎年恒例のOpa晩秋のひと仕事である。連れあいが健在のころは、十以上もの鉢やプランターに植えたのを、ひとりになって大幅に削減をした。それでも脚腰の痛い今のOpaには、ちょっとした過重労働である。でも、パンジー、ビオラ、デイジー、シクラメンなどが春先に咲きこぼれるさまを思うと、さあ、今年も植えなくちゃとホームセンターで苗をえらんでいる。そして春、ことしもまるで約束を果たすかのように、花たちは咲いてくれている。Opaもいまや晩秋の人生を生きている。、そのひと仕事の定年はいつ来るのだろう。
[PR]
by mizzo301 | 2017-03-09 21:58 | エッセイ | Comments(0)

大根を食う

d0087054_18521544.jpg

 ドンの朝の散歩でいつも通る畑から、Wさんの奥様が声をかけてくださった。大根をお持ちなさいなと、足下から二本をぬいてくださる。それにサラダ菜もひと株いただく。左手にドンのリードとうんち袋、右手に土つき大根二本と菜っ葉、持ちにくいが欲にからめて持ち帰る。Wさんちの精魂を込められた畑は野菜ばかりでなく、枇杷、無花果、キンカン、レモン、柿、柚子などがよく育つ。白梅の根方に蕗のとうが芽吹き、春秋に彼岸花が咲く。住宅地にありながら、まるで鄙びた里の風情を思わせるすてきな一画である。おまけに季節の収穫物を、必ずOpaに届けてくださる。まさに兼好法師のいう、ものくるるよき友である。さて大根、さっそく煮ることにした。近くのローソン+で厚揚げを買う。なにと煮てもうまい大根だが、Opaは揚げと煮るのが好きである。一本をすこすこと輪切りにして隠し包丁をいれる。あとは薄味でことこと煮るだけ。小ぶりとはいえ一本を一晩では食べきれない。三日三晩は大根である。火をいれるほどに味がしみる。消化がよい。どんなに食べてもあたらない。大根役者の所以である。
[PR]
by mizzo301 | 2017-03-06 17:43 | エッセイ | Comments(0)