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<   2017年 02月 ( 3 )   > この月の画像一覧

胃カメラそれから

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 医院の待合室の朝である。胃カメラの結果を待つ間、まるで入試の合否をまつ受験生みたいに、Opaの心臓はどきどきしていた。診察室に入るや、モニターにはすでになまなましい胃の画像が眼に飛び込む。絶体絶命!そのとき、大丈夫でしたよと、気の抜けたような神の声、ああよかったとOpaには気の抜けたような安堵感。お医者が神様になられた瞬間であった。さっそく車で待つドンに報告、それは良かったねと口をぺろりとなめてくれた。三月にはそのドンも9歳、まさに老境に入らんとす。Opaもまた齢ひとつをかさねる。犬と人の老老介護ってどうなるのかなあ。
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by mizzo301 | 2017-02-23 23:28 | エッセイ | Comments(2)

胃カメラの朝

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 近くのお医者で胃の内視鏡検査をうけた。Opaの苦手な胃カメラである。覚悟を決めてきたはずなのに、のど元がはげしく拒絶する。マウスピースを砕けんばかりにかみしめ、オエーッ、ギョエーッ。よだれ、涙、鼻水の奔流で抵抗する。そこは手練れの先生、ハイハイなんていいながら容赦なくカメラを押し込む。ここからはガイドつき苦し紛れの洞窟探検である。モニターに見る胃の内部は、いつか見た鍾乳洞に似ている。あれた胃であるのは自分にもわかる。間もなく胃の出口から十二指腸に入ります、とガイドの声。胃の下部から上を見上げたり、胃壁をぐるりと見物したりもする。胃壁のひだを広げるためにと、空気が送りこまれる。とにかく苦しい。あろうことか便意まで感じるが、なにも訴えることができない。先に小さな鉗子のついたワイヤーがするすると送りこまれ、所見のあやしい組織を採取する。鉗子がつまんだ部分を引きはがすのが見える。その瞬間、先生の右手がスナップをきかせているのがわかる。癌の検査に四カ所、ピロリ菌除菌後の培養検査とやらに三カ所、計七回もOpaの胃はむしられた。ようやくカメラが抜かれるや、トイレに直行、力なくガス発射。どうやら胃に送りこまれた空気であるらしい。検査結果は23日だという。バレンタインデーの朝に、Opaはとんだ地獄八景を見たのだった。
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by mizzo301 | 2017-02-16 22:16 | エッセイ | Comments(1)
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 庭のすみにすておいた鉢になにかが芽吹いている。一昨年の秋、郵便局でもらったチューリップの球根三個を、あり合わせの小さく浅すぎる鉢に植えたのだった。それが昨年の春、首が短くてまるで頬杖をついて物思うような赤い花がまずひとつ、あとの二つも小さいながら赤と黄の花を咲かせた。背がなくてもチューリップはかわいい。花の見頃は短い。その間中Opaがそばによると、あたいたちが貧弱なのはあんたのせいよと、三本が一斉に歌う。わかった、来年はなんとかするからと言い聞かせて、そのまますっかり忘れていた。あれからもうすぐ一年、その一本が芽吹いたのである。ドンと朝の散歩に出ようとして気がついた。あんた約束をまもらへんかったねえ、という。ほったらかしの一年だった。すまんわるかった。咲いてくれるだろうかチューリップ。咲いても咲かなくてもいい、花の季節のあと、今年は球根を掘りだし来年に備えよう。早めにホームセンターへ植木鉢を買いにも行こう。いわしを焼きながらOpaは考えた。明日は立春である。
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by mizzo301 | 2017-02-03 23:02 | エッセイ | Comments(0)