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埋蔵金

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 クローゼットを片付けていたら、奥から古ぼけたボール箱が出てきた。明治36年生まれ、今は亡き義父の遺品である。中には未使用の便せん、封筒、手のひらにのる算盤、東京オリンピック記念の千円銀貨をはじめ、何種もの記念硬貨のつまった小箱や結構な額の古い紙幣の入った札入れふたつがあった。そのひとつからはとりわけ古い紙幣があらわれた。戦前の紙幣である。大日本帝国内閣印刷局発行、円札は額面の金との交換を保証する兌換券である。ところがその古いお金のうち、50銭や10銭札の少額紙幣で電車の小人切符を買った記憶がOpaにはあるのである。おそらく終戦直後にはまだ流通していたのだろう。いずれにせよ、Opaに思いがけない埋蔵金が舞い込んだのである。というても温泉旅行はおろか、スーパー銭湯の湯上がりにビールをいっぱいひっかけて消えそうな、庶民派埋蔵金ではある。
by mizzo301 | 2016-06-19 18:18 | エッセイ | Comments(0)

落としはも

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 活けはもが安いよと魚屋が呼ぶ。骨切りをした近海物が台にならぶ。実はすでに鯛のさしみを買っている。おととい買ったほっけの開きも今日が賞味期限。買いすぎではと一瞬ためらったが、活けはもの魅力には勝てない。小ぶりの一尾を選ぶ、580円、ほんま安い。今夜はこれを湯引きにして、大いにハモってやろう。 さて、その白い身を小さめの一口大に切り熱湯でぐらりとひと茹で、すぐさま氷水に落とす。落としはもの呼び名はここからきたそうな。ざるでしっかりと水をきる。夕餉の食卓、ほっけは醤油で、鯛の刺身はレモンと味塩で、それに落としはもである。付け合わせの野菜は夕べの残り物ほうれん草のバター炒め、不釣り合いな相手だがぜいたくはいうまい。期待のはも、梅肉を作るのはめんどう、あり合わせのゆず味噌で食う。うまい。何のひとくせもない正真正銘はもの味である。ついでにレモンと味塩で試したがこれまたうまい。うまいうまいでおよそ半分を平らげたころ、はたせるかな脳の味覚本能がもてあましはじめた。小ぶりとはいえ一人で一尾まるごと、何事も過ぎたるは及ばざるがごとし。残りは冷蔵して、明日すまし汁にでもするか。教訓、ひとりではハモれない。
by mizzo301 | 2016-06-09 14:56 | エッセイ | Comments(2)