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寒波の朝に

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 月曜日、日本の北から南から大雪のたよりをテレビが伝えている。なんと南国台湾でも霜や降雪があり、あろうことか死者まで出たという。その日、Opaは六甲での針治療の予定であったが、早くからの降雪予報をおそれて治療、ホテル、ドンのお泊まりをあらかじめキャンセルした。ところがその朝、睡蓮鉢にあつい氷は張ってはいるが泉南は晴れ、つめたい空っ風に薄日のさす日和である。肩すかしを食った気分で想定外の洗濯をしたが、夕方にはよく乾いてとりこめるような天気であった。雪害になやむ各地の人々に申しわけないような大自然の気まぐれである。南北にのびる大阪で、このあたりはとりわけ温暖の地であるらしい。紀伊水道から流れこむ黒潮のせいかな。ご近所の紅梅白梅は今が見頃、厚着で散策する人たちの足を大いにとめている。鈴なりのレモン、キンカン、ゆずや温州みかんなどがあちらこちらの庭に見られる。冬を思わせない風景がここにはある。Opaの庭でもボケが花をつけ始めた。春はちかい。間もなくOpaはまた一つ齢を重ねる。ボケの花はOpaの人生の残り少ない日めくりである。
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by mizzo301 | 2016-01-30 22:37 | エッセイ | Comments(0)

大根な日々

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 風のつめたい夕まぐれ、ドンと通りかかったご近所の畑で呼び止められる。Opaさん、大根を煮て召し上がれ、暖まりますよ。目の前で引っこ抜いた大根二本、ブロッコリー、サニーレタスをあり合わせのポリ袋に入れて持たせてくださった。犬も歩けば大根にあたる。子供のころ大根はもっとも嫌いな食べ物であった。空襲警報がとかれ、防空壕からはいだして食べたお昼が、アルミの弁当箱につめた、さいの目の大根をまぜたご飯であった。わずかな飯粒は口の中でとけて、大根がいつまでも残るいやな感触を今でも思い出す。かくて大根嫌いのOpaは成長した。以来七十有余年、きらいだったはずの大根が大好きという老人Opaがいる。人生はわからない。冬の大根は特にうまい。いただいた大根、まず一本を大根切りにしてたっぷりのだしで柔らかく煮ておく。これで三四日のおかずになる。初日の夕食は別鍋にいくつかをとりわけ、うすあげで煮る。大根そのものを味わうおもむきである。ほかにぶりの照り焼き、鯛のさしみ、ごま豆腐、宝焼酎。二日目はイオンで買った合鴨の団子と大根の炊き合わせ、これが実にうまかった。もちろん宝焼酎。三日目、大根のほか未定、世界の蒸留酒の王、宝焼酎!これだけは欠かせない。
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by mizzo301 | 2016-01-26 22:54 | エッセイ | Comments(3)

じいさんの夜なべ

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 アマゾンを物色して、ドンにニットの安い服を見つけた。送料込みで500円、激安である。買った人のレビューを読む。値段のわりに良い商品が届いたなどと、あらかたの評判は悪くない。早速注文する。Opaはよくアマゾンで買うがそれが翌日に届くなど、いつもおどろくほど商品がはやく手に入る。ところが今回は三四日たっても荷が来ない。アマゾンの商品が来なかったことはないし、安いものだから心配はない。一週間か十日ほどがすぎて忘れかけたころ、家のポストに紙包みがねじ込まれている。中国からの航空便である。中を見るとそれが注文のドンの服であった。ペットショップで何千円もしそうな服が、中国からたったの500円で送られてきたのである。信じがたいことがあるものだ。さっそくドンに着せてみる。サイズも合ってなかなか可愛い。背中のすそのまくれ上がりを防ぐため、後足にかけるひもまで編まれている。折からの寒波もあってグッドタイミング、ドンもよろこんではしゃいでいる。ところが夕方の散歩の後、ドンの脚をふいて気づいた。新調の服の腹側のすそが5センチほどさけている。後足にかけたひものテンションが左右にかかり過ぎたようだ。その夜、夕食の片付けをすませ、さらに焼酎の熱燗をちびちびり。クローゼットからつれあいの残した小さな裁縫箱を取り出す。ドンの服を脱がせ、後足のひもを切り落とし、左右にさけたすその毛糸を寄せて、太い針に黒糸をとおして縫いあわせて繕う。じいさんの夜なべである。泉南にはめずらしく、強風に雪の舞う夜であった。
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by mizzo301 | 2016-01-20 17:14 | エッセイ | Comments(0)

にぎやかな新年

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 なんともにぎやかな正月であった。むすめ姉妹の二組の夫婦、孫の姉弟、Opaを加えて大人七名に犬二頭の大所帯である。大晦日にこんなに集まるのは初めてのことである。ワインにビールお酒に焼酎、喧々ゴーゴーわんわんキャンキャンと冥土の旅の一里塚をにぎやかに過ごす。あけて元旦、取り寄せのおせちをみんなでほじくり酒や酒、気がつけば空きビン空き缶が山をなし、トイレットペーパーの消費ただならず。あけて二日さらに酒、空きビン空き缶の山さらにうずたかし。トランプやかるた、そんなもん昔あったなあ。今や漫才と吉本新喜劇にウハウハガハガハ、テレビで大阪の知性と教養をむさぼりながら新年の宴はまだ終わらない。どれだけ大酒飲みの一族かと誤解を招く?誤解ではない、そのとおりです。Opaふと金魚の水槽を見る。六尾いるはずが四尾しか見えない。さては酔眼のせいかと目をこらすが、やはり四尾である。千鳥足で縁に出て水槽のふたをとる。そこに水草にからまるようにして浮いている二尾がいた。息はない。サイズで五番目と六番目、五女と末っ子である。濾過ポンプの水がとまっている。夜中に停電があったのかも。同居者の死はさびしい。Opa一族満座の正月に昇天する金魚、なにかの縁であろうか。おととし5月9日に孵化、行年一年と九ヶ月。リビングのさんざめきをよそに、ドンとOpaのふたりは椿の根方にしゃがみ、ひそやかに小さな魚を悼んだのだった。
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by mizzo301 | 2016-01-08 18:39 | エッセイ | Comments(1)