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<   2015年 07月 ( 3 )   > この月の画像一覧

桃をいただく

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 寝坊した朝、起き抜けのピンポーン、モニターにご近所の奥さんが・・。あわてると、不自由な足がズボンになかなか入らない。シャツをひっかぶり、杖、杖、いや、大変お待たせしてすんまへん。というOpaに、桃を差しだしてくださった。朝からもいできましたとおっしゃる。まだ紙袋をかぶったまま、いかにも採れたてである。こちらのお宅では、庭にいろんなものが実る。先日はとても甘い枇杷をいただいた。これからは無花果、秋には柿、果物だけじゃない。今はキュウリなど夏野菜、冬には大根などを届けてくださる。よき友三つあり、ひとつにはものくるる友と兼好法師はいう。同感である。さて、正直いって桃は甘みがうすかった。ならば甘くすればよい。皮をむいてそぎ切り、蜂蜜をたらす。冷蔵庫にこれも頂き物、上等の生ハムがある。ハムで桃をくるむ。じゃがいもを輪切りにしてチン、フライパンにオリーブ油とバターでこんがりソテ、ナツメグをふりかけて皿にもる。食パン一枚。梅雨明けの朝の桃が夕食になったよ、白ワインで乾杯。
by mizzo301 | 2015-07-20 19:08 | エッセイ | Comments(0)
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 めずらしく今年はブラックベリーが豊作である。一本しかない木に、鈴なりといってもよい。小さな粒々が紅く色づくと、いかにも野いちごの趣があって、ついつまんで口に入れる。だが残念ながら、こいつはよほど黒く熟しても酸味がつよくてうまくない。すこし摘み取ってはみたがどうしようもなく、調理台にほうっておいたらミイラになった。全部を摘み取ればおそらく5~600gにはなるだろう。それでジャムなどを作る気などOpaにはない。間もなく庭にブラックベリーのミイラ鈴なりである。自然の恵みを無駄にする後ろめたさがある。子供のころのOpaなら、そんな酸っぱいものでもきっとよろこんで食べただろう。食べ物に事欠いた日本を、今の人は想像できるかな。お菓子などない子供たちに、ぐみやユスラウメのほのかな甘みは宝であった。そんな思いを忘れられずに植えたユスラウメも、たわわに実ったのを今年は落ちるにまかせてしまった。子供時代のOpaならそれをひろってでも食べただろう。雨上がりに、女学生だった叔母と竹ざるにぐみの実を摘みとった、七十年前の畑のにおいを今も思い出す。
by mizzo301 | 2015-07-13 23:30 | エッセイ | Comments(3)

飛鳥寺のみほとけ

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 Opaの独居を心配する姉娘が、関東から来て二晩を過ごした。実物の生存をひとめ見て安心したのか、あした飛鳥へ行こう、歩けないOpaは運転だけで良いからと,明るい声でいう。異存はない。翌朝はさいわい梅雨の合間の雨上がり、まずは飛鳥寺へ向かった。走ること一時間余、大和三山が見える。高速道路で奈良は近くなった。ほどなく青田と丘陵に遺跡が散在する飛鳥の里にはいる。古い集落、里山や田畑と古寺、遺跡がごく自然に共存するこの地が、Opaは好きである。創建時の飛鳥寺は大伽藍であったというが、たびたびの戦火で、今はこじんまりとした真言の寺院である。この国最古の仏像ともいわれる本尊飛鳥大仏も、粗末な御堂があればよい方で、長らく露座の時代もあったと聞く。千四百年間の多事多難をこえて、同じ場所におわします奇跡のみほとけである。Opa、杖をすてて参堂、礼拝す。今をさる20年あまり前の夏、多武峰は談山神社から飛鳥の里へ下ったことがある。村やまぶしい稲田の暑熱にうだる道を、麦わら帽子をかぶせたはげ山から汗をしたたらせて、飛鳥寺を目ざして歩いた。その時は門前を素通り、裏手にある村の酒屋の自販機で缶ビールを買い、ぐびりとのどを潤して参拝したのであった。暑い、仏より麦酒、である。その酒屋は今も健在であったが、今回用はない。ほとけ様、覚えていらっしゃいますか、あの時の酒臭いはげ山でございます。足腰の不自由ははたして仏罰でございましょうか。回復を祈願いたしたくなにとぞ・・えっ、娘に拝観料を払わせておるようではあかんッ・・南無三
by mizzo301 | 2015-07-07 16:41 | エッセイ | Comments(0)