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<   2014年 12月 ( 5 )   > この月の画像一覧

静かな夜に

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 急につめたい風が吹き出した夕方、身体をちぢめてドンに引きずられるように歩く。あるお宅の前で、Opaさんお待ちになってと呼び止められた。その家のおくさんが、きょう家族でお餅つきをしましたというて、スーパーの袋にずしりとお餅をいれて持たせてくださった。まだあたたかい。これからドンの散歩、脚も痛いが欲には勝てない。謝していただく。大晦日である。ありがたい、このお餅で正月を迎えられる。老人、餅をのどにつまらせて死す、なんてことにならぬようせいぜい気をつけよう。紅白は見ないからテレビはつけない。ドンとOpa二匹の夜は静かにふける。夕べは久しぶりに、ひとり夜更かしで深酒をした。今夜ははやく寝るとしよう。おやすみ、2014年・・。
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by mizzo301 | 2014-12-31 23:23 | エッセイ | Comments(1)

金魚にこたつ

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 孵化したばかりの金魚をいただいたのは5月13日、裏庭の睡蓮鉢で孵化したメダカは7月の上旬から、いずれもぼうふらと見まごう微細な生物であった。小さな睡蓮鉢と洗面器のめだか小学校で、児童たちはすくすくと育った。それにつれて施設は手狭になり、秋深まる季節、金魚はガラスの水槽に、メダカは日当たりの良い表の睡蓮鉢とひょうたん池に引っ越しをさせた。めんどうだから卒業式ははぶいたが、メダカの学校は廃校とした。うち五尾は水草をただよわせた百均のガラス瓶にいれて、食卓でOpaの目を楽しませてくれている。寒くなって気になるのは、屋根の下とはいえ屋外の金魚たちである。みどりごから初めて育てた金魚である。いまの六尾から一尾も失いたくない。猫対策も肝要だが、これからは寒気が心配である。寒波の朝など、六尾が一つ所に身を寄せ合って身じろぎもしない。あわてて熱帯魚を売る店に車を走らせた。訊けば金魚は水温5度くらいまでは大丈夫というが、その日の気温は5度以下であった。水温がすぐそこまで下がることはなかろうが、気が気ではない。水中ヒーターを買ってさっそく水槽に入れた。これが水温をほぼ20度にたもってくれる。金魚の動きが目に見えて活発になる。どんな寒い朝もふたは水滴でくもり、指を水にいれるとあたたかくまるで温泉である。コーヒーを淹れて朝刊にひじをついたまま、毎朝元気な金魚をぼんやりと眺める。君たちと混浴の温泉でOpaの神経痛をいやしてよ、なんて思う。
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by mizzo301 | 2014-12-31 00:15 | エッセイ | Comments(1)

うら庭のかえで

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 この秋は足腰の痛みで、紅葉を目当てに散策しようという気にもなれなかった。近い古刹根来寺はいまごろ見ごろだろうかと想像するのだが、紅葉におおわれた境内の小径も、その起伏を思うと不安になる。昨年は右足腰、それがかなり回復したと思ったら今度は左が痛み出した。痛くて思うように歩けないのは不便である。ドンの短い散歩も、近所の畑に立てかけられたはしごによりかかったり、石垣に腰掛けて一服しながらでないとはたせない。足腰には自信があった。現役時代、早朝の海岸沿いに隣町の漁港までおよそ5キロ、帰りは国道から古い集落に入ってほぼ同じ距離を往復していた。何年も同じコースを早足で歩いたが、Opaの老後には役立たなかった。鍛えるというただの思いこみであった。現実は人体の想定外をいかにやり過ごすかである。てなわけで名勝古刹の紅葉を愛でる機会はなかった。そのおかげというべきか、リビングのOpaいすに座ったままで見る、うら庭にうらさびれて立つ一本のかえでの紅葉を、こんなにきれいだと思ったのは初めてであった。
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by mizzo301 | 2014-12-30 23:03 | エッセイ | Comments(0)
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 なにを食おうかと食事のたびに考えるのがやっかいである。ふと買った鱈、ひとパック三切れ、一切れだけほしいのだが仕方がない。ひとり暮らしの不便はこんな所にある。多いのは承知で、三切れとも粉をまぶしてムニエルに、油をひいた冷たいフライパンに切り身をならべてから火をつける。いまテレビでよく見る方法を試したが、皮目をこんがり焼きつつ、身もぱさぱさにならず、これは正解であった。すだちをしぼり、去年買ってとっくに賞味期限切れキューピーのタルタルソースをしぼる。ボイルしておいたブロッコリーをフライパンでさっところがして塩こしょう。期限切れ三週間のウインナーソーセージをボイル。冷蔵庫のいつ買ったかわからんなすびをソテして田楽味噌。期限切れ五日目のパンにインスタントのポタージュ、おまけにいなり寿司三つ、昨夕のにわか献立である。この程度の期限切れオンパレードはしょっちゅうだが、まだべつに身体がどってことはない。宝焼酎の湯割り熱燗で、胃へ流し込む。だが多すぎた。ウインナーの一本をドンに助けてもらったが、鱈もソーセージも半分ほど残してしまった。それらはそっくり今夜のめしにする。食パン二枚をかるく焼く。レタスをちぎり、キュウリ、トマトをスライスしてパンにのせる。夕べの鱈のムニエルをチンしてその上におき、古いタルタルソースをさらにしぼり、芥子をたっぷりしぼってもう一枚のパンでふたをする。できたにわかフィッシュバーガーを四つに切って皿に盛る。インスタントのポタージュ、宝焼酎の湯割り熱燗、残りのウインナーソーセージをドンと一本ずつかじる。とにかく今夜も腹はふくれ、ふた夜かけて残り物は片付いた、げっぷ・・
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by mizzo301 | 2014-12-14 17:06 | エッセイ | Comments(4)

ポリ袋、ドンと歩けば

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 ドンと夕方の散歩、すっかり葉の落ちたご近所の柿の木が、小鳥たちでにぎやかである。見ると若いメジロがおよそ十数羽、そこへ他の鳥もまじって口々にさえずり交わしながら飛びかい、鳥たちにと家の人が残しおいたわずかな柿の実を、競うようについばんでいる。他の鳥の名は知らぬが、メジロがこんなに集まっているのを見るのはOpa初めてである。新春には楓の枝にミカンを用意するから、Opaの庭にも来てよね。なんて思っていたら、その家の奥さんが現れて、甘いですよ、いかがですといって、一連のつるし柿をくださった。かたじけない。手持ちのポリ袋にいれる。すこし行くと空き地の畑に、こちらもご近所の老ご夫妻がにこやかな手招き、そこにたわわに実る温州ミカンをいくつももいでくださる。謝してそれも袋にいれる。お接待を受けながらさまよう、犬を連れた老遍路じゃなあ、なんてのんきにかまえていてはいけない。この袋が問題である。元はドンのうんちをいれる袋である。このまま行けば、ドンが危急存亡の時に発射した実弾を収納できない。一旦引き返し、新しいポリ袋をとりに帰るしかない。はたしてそれまでドンのがまんは保つだろうか。いそげOpa、痛い左脚をはげましひきずりながら気はあせる。わけもわからぬまま、ドンもあせっているようだ。ようやく我が家の門前に到着、と同時にドンはその場でそんきょの姿勢に入る。なんとよく出来た犬だろう。ドンこそ名犬である。家に入るまでもなく、Opaは袋のなかみをそこへぶちまけて、それでドンの生産物をつまみ上げ、無事に本来の目的は成就したのであった。これも弘法様のお導きであろうか。かしこ
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by mizzo301 | 2014-12-10 15:32 | エッセイ | Comments(2)