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<   2013年 04月 ( 6 )   > この月の画像一覧

さわやかな季節に

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 花の季節である。Opaの庭にも花がある。つつじに寄りそうように、盛りを過ぎた大でまりが春雨にぬれそぼっているのがいい。これで天気がよければ庭仕事の季節でもあるのだが、あいにく今年は痛い脚のせいでそれは思うにまかせない。せいぜいコーヒーでも飲みながら、庭先で朝刊をひろげてさわやかな空気を満喫するとしよう。この季節がさわやかなのは花や空気のせいだけではない。暑くもなければ寒くもない、おまけに蚊や蠅がいない。快適さのいちばんの所以である。五月蠅いがうるさいとはおしゃれだなあ、それで蠅は五月からと油断をしていたら、キチンに1匹飛びまわるやつがいる。まだ三月の半ばのことである。ここかと思えばまたあちら、パンのしろい肌にいるのを手でおえば姿をくらます。かと思えばOpaの頭がむずむず、てっぺんでタップを踏んでいやがるらしい。はげ頭にも神経は通っている。平手でパシリ、でも頭のてっぺんに蠅のはらわたなどいやだと思う手かげんで、とうぜん彼は逃げのびる。そんなことが四五日つづいたある朝、キチンのテーブルにおいたトレーのすみに蠅が1匹うずくまっている。Opaをからかいすぎて体力を消耗したか。今だとばかりにティッシュペーパーでひねりつぶし、ゴミ箱にすてた。

  やれうつな蠅が手をする足をする 一茶
by mizzo301 | 2013-04-30 23:01 | エッセイ | Comments(1)

もっこうばらの季節

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 もっこうばらの季節に永別の日あり座して黙す
by mizzo301 | 2013-04-23 23:09 | エッセイ | Comments(2)
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 市の介護保険課から要支援2の認定書がとどいた。つれあいが一級の障害者であったから、存命中ヘルパーさんには長年お世話になっていた。でもまさかこんなに早く自分がお世話になるとは、思ってもみなかった。市からみえた調査の人に、氏名、生年月日などをはきはきと答えて頭脳明晰をよそおったが、痛みで動かぬ右脚が動かぬ証拠になったらしい。ありがたくはあるけれど、老いにおいおいと肩をたたかれているような気もする。さてOpa、すなおで可愛い老人になれるでしょうか。それはさておき、今朝も週一回の痛み止め点滴をうけた。七度目である。その効あってか痛みはずいぶんやわらいだ。家の中ではほとんど杖なしで過ごせる。 玄関から郵便受けくらいまでは杖なしでも行けそうであるが、用心のために杖をもって夕刊をとりに出た。そこへ裏のお宅の奥さまが、ご不自由でございましょうと惣菜の小鉢をとどけてくださった。竹の子と高野豆腐、きぬさやの炊き合わせ、さっそく夕食にいただいたが、上品なうす味で実にうまかった。明日の夕刊も、用心のために杖を持ってとりに出ることにしよう。
by mizzo301 | 2013-04-20 00:00 | エッセイ | Comments(1)

ふっくらと・・

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 すこしふっくらなさいましたね、とご近所のおくさんがおっしゃる。えっ、見てわかるの?実はこのひと月で3キロ以上体重がふえた。ドンがいないから朝夕小一時間の散歩がない。Opaの不自由な右脚のせいである。ほとんど家にいて出歩かない、というよりできない。運動量はゼロなのに、三食をきっちりと食べる。おまけに間食をする。ふだんOpaの食べものをねだるドンがいないから、どら焼きを風呂でしのんで食べる必要もない。午後3時が待ちきれず、コーヒーを淹れる。そこへ大福、あべかわ、かしわ餅、きんつば、おはぎなどを日替わりで食う。どうして和のスイーツばかり、それには深いわけがある。むかし、小学三年生のOpaは長く病の床にあった。慢性の腎炎で全身がむくみ、眼も見えない。塩分と蛋白がぜったい禁忌で、食事は無味無臭の食べ物を口にいれてもらう毎日である。長くつづいたそんなある日、これをお食べと母がOpaの手においてくれたもの、食べるとそれは意外にもあんこのつまったまんじゅうであった。夢かとおもうほどうまかった。あずきの蛋白質などぜったい摂ってはいけないはずである。それを毎日ひとつ、大福であったりきんつばであったり、あまいあんこのはいったものを手にのせてくれる。Opa少年は、それだけを楽しみに生きていた。それがある日をさかいにぱったりと止む。我が子の病状はもう長くないときかされて、どうせ死ぬ子なら今のうちに好きな物を食べさてやろうという母心。その行為を自分でお医者にうったえて、きつくたしなめられ諭されたと、後に運良く快復したOpaに母は語っていた。六十年以上も酒浸りで長くあまい物を忘れていたのに、あんこの和菓子がこの頃むしょうになつかしい。今日もまたコーヒーを淹れてよもぎ大福をほお張り、遠いむかしを思う老人がいる。布袋さんのようになっても知らんぞ。
by mizzo301 | 2013-04-14 17:45 | エッセイ | Comments(0)

大漁、いかなごのくぎ煮

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 まいとし三月のはじめ、町内の多くの家庭がいっせいにいかなごを煮る。いかなごのくぎ煮である。向かいのお宅からもそのにおいがただよってくると、夕方には、はいできましたと奥様が、弁当箱大のタッパーにいっぱいのそれを必ずとどけてくださる。それから二三日、別のご近所からもタッパーウエアやポリ容器で、いかなごを煮てみましたなどといって、二軒からいただいた。他所さまからすでにいただきました、などとはいえない。それぞれありがたく頂戴する。さて三軒のくぎ煮、味の濃さ、甘さや生姜の加減がそれぞれでどれもうまい。冷凍のめしをチンであたため、昼めしに食うとじつにうまい。だがひとり者におおきな容器三杯のいかなごは多すぎる。思案していると、播州の友人から奥方の手作りというくぎ煮ひと折りが、これでもかととどく。ため息をつきながら、播州のおだやかな春の海がしのばれます、などとお礼のはがきを書いたのだった。
by mizzo301 | 2013-04-06 17:26 | エッセイ | Comments(1)

ステッキなドン

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 右脚の痛みで、まともに歩けなくなってひと月が過ぎた。よう部せきちゅう管きょうさく症、医師の診断である。最初は痛くてほんの数センチも歩けない。それでも人はめしを食いトイレに行く。発症の初日は、突然おなじ目線の高さになったドンにあやしまれながら、はいずり回って過ごす。たまりかねて娘に電話で救いを求めた。おどろいて駆けつけてくれた彼女の運転で、とりあえずホームセンターに行きつえを買う。だがそのつえで、右脚の痛みをだましながら歩くのはむつかしい。体重のバランスをくずすとこんなに疲れるということも初めて知った。ゆっくりとほんの五、六歩もあるくと、息が切れる。つえのせいでもなかろうに、ネットを開いてつえを検索する。まず身長に応じた長さのものを持てという。なるほど、今のは長すぎるのか右肩に負担を感じる。ならばOpaにあう一本がほしい。カタログをみるとあるわあるわ、めくるめくつえとステッキの世界。実用本位の数千円から、蒔絵、銘木、銀細工、寒竹のうん万円からうん十万円、スネークウッドの百万円超までの品揃え。こんな世界があったんだ、Opaの物欲目ざめる。そしてまよわず選んだのは、握りがいぬの顔に仕上げられた一本である。さっそく注文すると、はやくも翌日、ていねいに長さを調整されたつえが届いた。不自由な足で散歩をさせられないドンを、妹に預かってもらっている。まだ痛みで外出はできないが、今のOpaにはステッキがドンである。あのはしゃぐ毛並みがなつかしい・・
by mizzo301 | 2013-04-03 00:30 | エッセイ | Comments(4)