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<   2012年 09月 ( 6 )   > この月の画像一覧

旅のなごり

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 今朝、成田で娘とわかれ、午後ひとり関空に降りたつ。いつぞや、世界一トイレがきれいと認定された空港である。パスコントロールを出るや早速とびこむ。腹に持ち帰ったウイーンみやげを気前よく献上、すっきり。帰途、南海電車に乗る。泉佐野駅のおなじホームですれ違う電車と乗り継ぎ1分、この芸当、ヨーロッパの鉄道はまね出来まい。車窓に海、淡路島、十日ぶりの見なれた景色に安らぐ。帰着、玄関にスーツケースを放り込んで、そのまま庭に水をやる。キウイと山椒が日照りに耐えきれず、すっかり葉をおとしている。ルッコラもだめ。あきらめていたベゴニアと日々草が、あえぎながら少し花をつけて待っていてくれた。元気なバジルのプランターを入れたプラケースの水に、トカゲが死んで浮いている。かわいそうに、プラスチックの壁をはい上がれずに溺れてしまったのだ。あわてて他の箱も見ると、水にもがいている一尾がいる。急いでひしゃくですくいだしてやると、そそくさと草むらに消えた。急に金魚が気になる。家に飛びこんで裏の雨戸を開く。楓の落葉が浮いた睡蓮鉢に金魚が三尾そろって顔を出す。口をぱくつかせて、おかえりおかえりといっている。水草で食いつないでいたのだろう、気のせいかみんなやせて見える。餌を与えると、身をひるがえして食いあさる。スーツケースの洗濯ものを、洗濯機につめこんでいると、玄関でピンポーン。トリマーさんが、預けたドンを届けてくれたのだ。十日ぶりのOpaを見て大興奮、バフバフと声をあげてとびついてくる。足腰にまとわりついてはなれない。ドンにドッグフードとささみの水煮を与え、ウイーンの食べ残しの黒パンとベーコン、冷蔵庫のしなびたレタスでOpaも夕食にする。久しぶりの家族団らんである。
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by mizzo301 | 2012-09-08 19:05 | エッセイ | Comments(0)

徘徊老人 in Wien

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 宿から少し入った食堂、オーフェン・ロッホでタルタルステーキを食う、うまい!生肉ご法度の日本でこれはのぞめまい。その食事を最後に、娘とは別行動である。オペラに友人との再会にと、ウイーンでの彼女はいそがしい。あんたひとりで遊んでや、というわけだ。ほなら、来るたびにちょいと気にかかりながら、見ることのなかった所へこの二日間に行ってみようとOpaは考えた。で早速、翌日はオーストリア軍事博物館、展示はOpaにはわからん歴史を追うが、膨大な古い武器や武具のコレクションに圧倒される。終盤ちかく、サラエヴォで暗殺された皇太子フェルディナンドが着ていた、血のりのついた服、乗っていた自動車、犯人たちの顔写真、使われたピストルなどの展示があって、さすがに歴史を実感させられる。さらに翌日、朝からまず自然史博物館、こちらは自然科学全般の膨大な展示である。興味のあるところを集約して見れば大いに楽しめる。観覧者は子連れが多い。疲れた。館を出て一服、水を買う。東へ歩く。目指すはシェーンベルク・センター。普通のアパートの三階である。ブザーを押して入ると、暇をもてあましていたおねえさんが、いきなり早口で話しかけてくる。ごめん英語でお願い、というと、わたし英語で話してるんだけどという・・おおはずかしい。Opa独語も英語もわかりましぇーん。シェーンベルクの作品群を演奏で紹介する映像がすばらしい。実のところ知ったかぶりOpaも、「清められた夜」以外の作品をほとんど知らない。難解といわれる彼の音楽を、そうじゃないんだよとここで納得させられるのである。おまけに入館料はたったの3ユーロ、なにせ大阪人は金でおます。はら減った。近くの公園にあるオープンレストランで、骨付き豚のコトレット、ビールで昼食。ついでにもう一館、市電Dにのってフロイド博物館へ行く。こちらも普通のアパート内にあるフロイトの住まい。なにもいうまい、ビッグネームにひかれて素人が行ったら、退屈で往生しまっせ。
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by mizzo301 | 2012-09-06 03:57 | エッセイ | Comments(0)
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 昼過ぎのウイーンに降りたつ。ザルツブルグからの国内便だが、空港がすっかり新しくなってちょっととまどう。この六月に新装開店したそうな。予約のペンジオンはウイーン一区の一等地、グラーベン通りの古い建物にある。かつてモーツアルトが一年足らずここに住み、歌劇「後宮よりの逃走」はここで作曲されたという。そういうことを説明する大きな銘板が入り口の壁に掲げられている。ウイーンではモーツアルトも客引きをさせられるのだ。この町がすてきなのは、人々のださい服装である。泉南の田舎から普段着で飛行機に乗ってウイーンに降りたてば、すっとこの町にとけ込めるよさがある。二十年も前になるだろうか、この地に留学していた下の娘を初めて訪ねた時のことである。つれあいが旅先での服装を気に病んで、ウイーンの娘にわざわざ電話をかけた。娘は「お母さん、大阪を出るまではずかしくなければ、どんな服装で来てもだいじょうぶ」といったそうだ。そう聞いて安心したつれあいとOpaは、前日の夕方に釣った小アジの南蛮漬けと、高島屋で買った真空パックのうなぎの蒲焼きを持って、いそいそと飛行機に乗ったのだった。オペラやコンサートではそれなりに着飾った人々に会うが、あんなのはコスプレ好きの集まりだとおもえばいい。そんな場所にも日本の若者が、Tシャツにジーンズでうろちょろするのを見かけることがある。それでいい、コスプレの衣装は若者には高すぎる。それを高いチケットにまわしているのだからえらいじゃないか。
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by mizzo301 | 2012-09-05 02:43 | エッセイ | Comments(3)
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 晴れ、路線バスで山々とあまたの湖の里、ザルツカンマーグートへ向かう。ザンクト・ギンゲン下車、モーツアルトのおっかさんの生家を横目にしながら、ヴォルフガング湖の船着き場へ。時代物に似せた外輪船が到着。定期船のあいまに来る特別仕様の船だという。娘(おばはん)よろこぶ、ラッキー、ぴょん。ボーリング愛好会というドイツ人グループにまぎれこんでガヤガヤ出港、およそ40分、ザンクト・ヴォルフガングで下船。あるある、目の前にちいさなSL,映画「サウンド・オブ・ミュージック」にも出てきたやつや。これを見たかった、乗りたかった、じじ鉄よろこぶ、よたよた。かわいい蒸気機関車が腰を曲げて力をこめ、汽笛一声、シャフベルグ山1783mの頂まで、二両の客車をはうように押し上げていく。森林限界をすぎると真下に湖が見え、周辺の高山の絶景がくり広げられる。眼下を雲が風に流れる。寒い、ユニクロのライトダウンをザックから引っ張り出す。風景絶佳、大満足。登ってきた反対側はひたすら雲海、ときおりどこやらの湖がきらりと光る。山上ホテルの食堂で、ビールと羊のチーズでひるめし、二度トイレで飲んだビールをしぼりだし、ふたたび乗車、下山。なごり惜しいぞかわいいSL,大阪は泉南の田舎からここまでの汽車賃、決して高いとは思いまへん、さいなら・・
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by mizzo301 | 2012-09-04 17:47 | エッセイ | Comments(2)

山荘イーグルネスト

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 娘にツアコンを頼んで、ザルツブルグから日帰りの旅に出た。 路線バスで30分も走れば、ドイツの町ベルヒテスガーデンである。そこから二度バスを乗りついで30分もあれば、ヒトラーの山荘イーグルネストの駐車場に着く。そこから127Mのトンネルを歩くと、岩をくりぬいた広いエレベーターホール、142Mをエレベーターでいっきに上ると山荘のホールに出る。標高1836mの山頂の岩棚に築いた頑丈な建物である。この辺り一帯もとは、王侯貴族や高位聖職者の保養地として栄えた高雅な土地であるが、そこに惚れこんだヒトラーの意志で、地主から没収あるいは強制的な立ち退きをさせて、ここにナチの王国を築いたという。彼はこの天上のテラスでコーヒーをすすりながら、うっとりと今や我が手中にある眼下の絶景を眺めたのであろうか。田舎出の一兵卒の劣等感から成り上がったヒトラーが、ここでどのような優越感にしたっていたのだろう。ぜひ彼が眺めた光景を見ながら、Opaもそこでコーヒーを飲んで見たいと思った。それでわざわざ出かけたがあいにくの悪天候、山荘一帯はこい霧で視界はゼロ。あまい癒やしのミルクに重い過去の記憶がとけてしまい、今の平和をほのぼのと思わせる景色であった。
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by mizzo301 | 2012-09-03 04:22 | エッセイ | Comments(0)

ザルツブルグは雨だった

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 雨の町歩きから帰って昼寝をしている間に、娘は音楽祭最終日のオペラに出かけたようだ。Opaはオペラがにがてである。あれはうるさくてよく眠れない。この旅行も、わしは演奏会にいかないよ、というのが条件である。それじゃこの季節に、なんのためにザルツブルグへいくのかと、教養ある日本人は思うだろう。それはわしにもわからん。七十有余年、ひたすら教養とは縁がない。気温三十五度の日本、こちらは肌寒い二十度前後だから、つかの間の避暑ではある。宿は旧市街のはずれ、ザルツブルグ・シティ・ユーファ、ユースホステルの家族向け簡易ホテルの一室である。娘の家族は毎年二度、ここに泊まってきたという。洗面台のあるシャワールームとトイレは別室で、そこに水がないのでトイレで手を洗う手間がない。それはそうと町中で、BillaとSUPARがとなりあっているのに出くわした。いずれもこちらでは定番の大手スーパーである。大阪でいえば、スーパー玉出とスーパー・マルナカがならんでいるようなもの、スカラ座とオペラ座が並び立つ絢爛豪華がそこにある。さすがザルツブルグ大司教区、もしモーツアルトのお母さんが生きていたら、あの手狭な家からここへ来て、さてどちらで買い物をしたものかと大いに迷うだろうな。OpaはBillaであんずのシュナップスをひと瓶5,8ユーロで買う。およそ570円という安さ、たかが西洋焼酎一本で円高を実感してよろこぶ自分がなさけない。
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by mizzo301 | 2012-09-01 05:57 | エッセイ | Comments(2)