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<   2012年 03月 ( 2 )   > この月の画像一覧

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 三月にはいったばかりの去る日、学生時代の友人Kさんが、酒瓶を手みやげにOpaを訪ねてくれた。もとは一学年上の作曲科に在籍、ピアノの名手でもあり、いつもOpaのピアノパートナーを快くひきうけてくれる人であった。その先輩の足をどうひっぱったかはおぼえないが、卒業は同時にはたすという因縁の人でもある。その人が、同窓会誌によせられたつれあいの追悼文で、Opaが独り身になったことを初めて知っておどろき、早速なぐさめに来てくれたのである。うれしいOpaはスパゲッティ・ペペロンチーノを整え、白ワインをふるまって歓迎した。じじいふたりの半世紀におよぶ思い出がたりは、久しぶりにデュオをやるまでに高じた。モーツアルトのヴァイオリンソナタ・K378、この歳まで弾き続けているという彼の冴えたピアノに、Opaのヴァイオリンがよたよたとからむ。ピアノの休符の部分で妙な八分音符がきこえる。ぷっぷっぷっぷっ、ぷっぷっぷっ、Kさんがおならのメトロノームでテンポをとっているのである。学生時代にもあったなあ、なつかしい。モーツアルトは従姉妹にあてた手紙などで、ウンチやケツなどとびろうな言葉を書き散らして有名である。作品にも6声のカノン「おれの尻をなめろ・K231」などがある。彼は音楽で超弩級の天才にちがいないが、普段はやたらクソやケツなどといい散らかしていたふしがある。ならば、おならでテンポをとるのは、彼の作品にふさわしいことではあるまいか。その際、このソナタ第1楽章のテンポおよび楽想の記号は、Allegro moderato con gas としよう。
by mizzo301 | 2012-03-12 17:03 | エッセイ | Comments(4)

三丁目の夕日

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ドンのカットをトリマーさんにお願いして、その間にイオンのシネコンで「オールウエイズ、三丁目の夕日'69」をみた。前二作につづき、舞台は戦後の経済成長期にさしかかる東京の下町である。東京オリンピックが開かれ、新幹線が走る。竣工した東京タワーの上空に、自衛隊ブルーインパルスの5機が五輪マークを描く。これからはカラーテレビというときに、売れない作家、茶川龍太郎先生の駄菓子屋に、ようやく白黒テレビが届けられる場面からはじまるコメディーである。ちなみに当時、Opaの家は画面がすぐ二階建てになる白黒テレビであった。それはさておき、みる映画はなるだけコメディーをOpaは選ぶ。それは歳のせいでバカになった涙腺のせいである。むかしは映画で泣くなんて考えられなかった。それが今は、目からしたたる水のせいで、画面がにじんでみえることしばしばである。感動巨編なんてのはだめ、動物が関わるのには特によわい。今評判の「戦火の馬」なんてのはみたいのだが、車のラジオで、あるパーソナリティーが語る、その梗概を聞くだけで前方の景色がにじんでしまう。実際に映画を観たら、目が洪水になりかねない。というわけで、別のスクリーンでかかっている「戦火の馬」をさけて「三丁目・・」をみたのである。ところがこのコメディーには、人情噺がいっぱいしくまれて、Opaのバカになった涙腺から想定外の水があふれだす。こんなはずじゃないと思いながら、めがねをとって涙をぬぐうことしきりであった。涙腺だけじゃなく、Opaまるごとバカになったような平日の午前、観客がたったの8人でよかった。
by mizzo301 | 2012-03-03 14:31 | エッセイ | Comments(2)