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沖縄にのこされたもの

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 土曜の朝、沖縄で太平洋戦争時の不発弾処理にあたる、ひとりの若き自衛隊員のすがたをテレビで見た。自衛隊アレルギーのつよい土地で、もくもくと任務をこなす彼の心境は複雑である。沖縄には戦時、海上をうめつくしたアメリカの艦船から、砲弾が雨あられのように浴びせられた。その不発弾がいまだに2200トンも全土にうまっていて、その処理には今後70年を要するという。なんと福島原発事故処理の収束予定と、同じ年月をようすることになる。不発弾といえば海外の紛争地などに残された地雷など、なんとなく遠い世界の出来事のように思われた。それが国内で、不測の爆発事故におびえて暮らす同胞たちがいるという、身近な問題であったことを知って驚いた。農作業や何かの工事で、時には民家の片隅でいつそれにふれるかわからない。Opaは爆撃のこわさを知っている。45年の初夏、米軍機の連続無差別爆撃で、Opa一家の防空壕は大地震のようにゆさぶられ、くずれおちる土くれが全身にふりかかる。運良く直撃をまぬかれた壕からひっぱりだされた5歳のOpaは恐怖で口がきけず、腰がぬけて立てなかった。昼間なのに、あたりは夜のように暗かった。深刻な不発弾の問題をテレビで見て、幼時の恐怖体験が脳裏にまざまざとよみがえる。敗戦から67年をへて未だにある沖縄の現実は重い。不測の爆発事故などが、彼の地の人びとの平和な日常を脅かすことがないように真摯に祈りたい。
by mizzo301 | 2012-02-25 23:16 | エッセイ | Comments(0)

ひと風呂浴びながら

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 今たおれたらどうなるのだろう、浴槽でチョコレートをかじりながらふと思う。見出しの記憶をたよりに、古新聞をあさる。あった、節分の日の夕刊、厳冬入浴中の死亡増加。脱衣の寒さで血圧があがり、熱い湯でそれがさがる。こうした血圧の急変動が脳卒中や心筋梗塞の引き金になる。これをヒートショックというそうだ。年間四千人以上が家庭内の浴槽で溺死しているという。さいわいOpaんちの湯船はせまい。足をのばして仰向けにつかれるようなゆったり型ではない。膝をまげて肩までつかると、いつもつま先は前につかえているから、ずるずるぶくぶくと潜ってしまうことはない。 湯船につかりながら、Opaはよくうたた寝をする。気づくと首がかくんと前に折れてはいても、あごは湯船のへりより高い位置で呼吸をしている。以前はゆったりと身体をのばせる浴槽にあこがれたが、実は溺死防止仕様であったらしいせまい湯船、これでいいのだ。今をさる99年の2月、つれあいも入浴中の脳梗塞でたおれた。その時はたまたま家に居合わせた次女の機転と素速い対応のおかげで、後遺症を残しながらも一命をとりとめることができた。さらにその年は、8月にOpaが大腸癌の手術を受けるという、中高年夫婦のとんでもない世紀末であった。今では一人暮らしの不安をかこちながら、風呂でクッキーやチョコをかじるOpaである。新聞記事がいう入浴中の死亡増加はもちろん、おのれの脂肪増加はもっとこわい。
by mizzo301 | 2012-02-24 21:15 | エッセイ | Comments(0)
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 裏庭のキンカンが、隣家との塀をこえてよく実る。こちらからは手前にかえでや南天、やまぶきやしゅろ竹などが茂って収穫はむつかしい。めいわくだろうなと思いながらついそのままにしていたら、昨夕お隣のおくさんがきれいにつみ取って届けてくださった。なんのめいわくもありません、そのかわり少しいただきました、とおっしゃる。恐懼のきわみなり。全部差し上げたいが、多すぎるといってそれこそめいわくのようだ。のどの妙薬とは聞くが、Opaにキンカンを食べる風習はない。ほぼ1キロの黄金色のつぶを前にさて困った。ふと目についたのが、整理棚にあるイタリアみやげにいただいたレモンリキュール、リモンチェロの小瓶である。かつてカプリ島の店先で大いに試飲をして、自分でも買ったことがあったっけ。レモンがリキュールになるなら、キンカンも同じ柑橘類、うま酒にならへんやろかとグーグル殿にうかがう。あるわあるわキンカン酒のレシピ、材料は同じなのに処方はいろいろで迷ってしまう。ようするにOpa流にやれということのようだ。さっそく近くのホームセンターで4Lのガラス瓶、その向かいのスーパーで35度の焼酎を買う。氷砂糖の缶はたしかキッチンの床下収納庫、開くと元気な頃のつれあいが仕込んだ、何十年物かの梅酒の一升瓶が数本たたずんでいる。買った瓶に洗ってへたをとったキンカンを入れる。庭先のレモンを2個追加して、ヒントをくれたリモンチェロにグラッチェ、氷砂糖をガラガラ焼酎をドボドボと入れて作業を完了。つれあいの古酒の瓶にそわせて、しばらく眠らせよう。うまし夢みてなれうま酒に・・
by mizzo301 | 2012-02-12 22:04 | エッセイ | Comments(2)

春は名のみの・・

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 きのう午後、夕食はどうしようと考えながら買い物に出た。イオンの食品売り場には大量の生いわしと巻き寿司の山、そうか、節分だったんだ。おかげで献立で迷わずにすむ。まるまると太った大羽いわし三尾ひとパックを買う。食指のうごかぬ恵方巻きはパス。さてキッチン、冷蔵庫のほうれん草をごま和えに、大根をすりおろしてご近所にいただいたシラスをじゃこおろしに、ガスレンジのグリルを脂でギトギトにしていわし三尾を塩焼きに、あとは湯を注ぐだけのインスタント味噌汁でメニューは完成。豆もなければひいらぎの一葉もない、あるのはいわしの頭だけ、鬼外福内邪鬼退散、焼酎を友にひとり節分会の夜はふける。ともかく脂ののったいわしのボリュームに、腹くちていねけり。今朝6時半、パン焼き上がりのアラームとこうばしいにおいで目が覚める。テレビが、今朝は立春としきりにいう。春には遠いこのところの寒波である。この季節、春は名のみの風の寒さや、ではじまる古い唱歌「早春賦」をOpaはかならず思い出す。「・・谷の鶯 歌は思えど 時にあらずと声をたてず 氷融け去り葦は角ぐむ・・」朝刊を取りにでて、玄関先のかやつり草をふと見ると、昨日は薄氷のはっていた水面に若芽がひとつ角ぐんでいる。ドンとOpaの早春賦をみつけた気がした。
by mizzo301 | 2012-02-04 16:35 | エッセイ | Comments(0)