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<   2011年 11月 ( 6 )   > この月の画像一覧

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 柿の好きなOpaである。隣家の畑でよく実った柿の木を物欲しげに見上げていたら、たまたまご当主がでてこられた。にこやかに会釈をかわしたら、夕方、ざるいっぱいの柿が届いた。目は口ほどに・・というが、目が口のためにものをいうたらしい。ところが翌朝、別のご近所さんから柿はお好きですかと電話があった。足りてますともいえず、正直にハイとこたえたものだから、その日またスーパーの袋いっぱいの柿を届けてくださった。いまやOpaのキッチンカキクケコ、好きとはいえひとりで食うには多すぎる。さて・・。 閑話休題、いまはさる年の秋、南イタリアを旅行した。実力のほどは知らぬが、つれあいのイタリア語が意外によく通じるのである。これは便利、利用しない手はないと、ことあるたびにあれきけこれきけといって、Opaうるさがられた旅であった。ある村の道ばたで、めずらしや柿を売っている。立てかけた値札のダンボールの切れ端に、マジックでKAKOの文字、なんでカコやねん。つれあいいわく、イタリア語でKAKIは一見どうみても複数でしょ。だからイタリア人である田舎の人が、単数はKAKOにちがいないと勝手に思ってるんでしょ、といってしきりにおかしがった。ほなら、KAKIの複数はなんというねんときいたら、さあねとこたえて彼女は横をむいてしまった。複数形はSAANE・・?MASAKANE・・
by mizzo301 | 2011-11-30 18:25 | エッセイ | Comments(1)

船で本を読む

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 十年ばかり前、上海まで十日間の船旅をした。その時、本を一冊だけ持って船にのった。僧円仁の「入唐求法巡礼行記」、原文はおろか訳文すらのみこめず、読み始めてはなんども挫折をくり返した本である。隔絶された洋上で読み物はこれしかないとなれば、いやでも読むだろうと考えたのだ。はたして思わく通り、ひるまは甲板のデッキチェアで、夜はキャビンのベッドで、円仁の波乱にみちた九年の滞唐日記に没頭、ついに耽読の境地にいたり、船上で感動をもって読了したのであった。思い出にのこる読書である。今回の船旅にも本は一冊ときめて、新潮文庫の新刊、陳天璽の「無国籍」を持って乗った。それを、切実な内容にひかれて読みふけり、乗船の夜に読み終えてしまったのだ。船に本屋があるじゃなし、残る三日間もう読む物はない。わけわからんテレビを見て、ひそかに持ち込んだ宝焼酎を夜な夜なあおるばかりである。船旅に本は一冊ときめつけたことを後悔しつつ、活字中毒者の航海の旅はおわった。
by mizzo301 | 2011-11-26 23:55 | エッセイ | Comments(0)

プーケットにて

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 はじめて象に乗った。プーケット島の体験ツアーでのこと、ふたりひと組というので困っていたら、京都からひとり参加というご婦人がいっしょに乗ってくださった。象の背の不安定なケージにならんですわる。若い象使いが首のあたりにあぐらをかいて、耳のうしろを手かぎでひっかいて象をあやつりながら、林のなかの急な斜面の短いコースを一巡する。特大のふんがころがる悪路を、ぐらーりぐらーりと大ゆれにゆれる。ケージにしがみついてそれにたえる。暑い、はげ頭からすべりおちる汗をぬぐうこともできない。のんびりお散歩みたいな想像をしていたが、とんでもない。もうただでも乗らん。以前アユタヤでも乗られたという京のご婦人、どうしてまた乗る気にならはったんやろ、不思議どす。花よりだんご、象よりシャワーじゃ、はやく船にもどりたいOpaであった。だがそうはいかぬツアーの事情、カシューナッツの工場、大規模土産物店、数年前に大津波被害のあったパトンビーチなど、完全にゆであがるまでお連れくださった。近年、物価の安いリゾート地として、プーケットは定年後の長期滞在に日本人に人気があるという。豪華なマンションでくつろぐ初老の夫妻を、テレビのリポート番組で見たことがある。われわれの所得であんな暮らしができるなら、ちょっといいかもとOpaも思ったものだ。こちら一年中、日本の梅雨期の蒸し暑さと、テレビではいわなんだ。百聞は一見に如かず。
by mizzo301 | 2011-11-21 15:36 | エッセイ | Comments(1)

マラッカ海峡をゆく

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 Opaの朝はたいてい寝ぼけている。めざめた所がどこなのか気づくのに、間を要する。船室とわかってようやく安心、おしっこに起きる。本船は、近年海賊の出没で知られたマラッカ海峡を北上中である。バルコニーに出て、なま暖かい熱帯の風にあたりながら、まだうす暗い海に目をこらす。どくろの旗をなびかせた海賊船は、残念ながらあらわれなかった。午前10時頃、マレーシャはペナン島に上陸す。本船主催のオプショナル・ツアーである。最初に華僑華人の水上集落見学、もとは土地を持たない民として最貧の生活をしいられたという。いまは何らかの職を得て、そこそこの所得があるらしい。桟橋上の家々には、衛星テレビのアンテナがあったり、高級なバイクがとめてあったりもする。陸上の駐車場に乗用車をおいている人たちも大勢いるそうだ。そして海につきでた集落の最先端に共同便所がある。粗末ではあるが、トイレがオーシャン・ビューとはいきではないか。のぞいてみると、ぽっかりあいた穴の下は海であった。すぐそばの浅瀬を、サヨリが一尾およいでいる。昼食は冷房のよくきいたホテルのレストランでバイキング、なにをとってもうまかったが、魚料理は遠慮した。
by mizzo301 | 2011-11-14 18:03 | エッセイ | Comments(3)

ボン・ボヤージュ

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 船旅である。船はスーパー・スター・ヴァーゴ、76,800トン、全長268m、船客定員1870名、巨船である。Opa、バルコニー・クラスをはりこんだ。贅沢である。だがそこは、へそくりも家計も一緒くたの一人暮らし、自由自在である。タラップからクラス専用のゲートを通る。色の浅黒い丸顔の美少女がすっとよってくる。レセプション・カウンターのある広いラウンジのソファに案内してくれて、シャンパンのグラスをすすめられる、飲む、うまい。しきりに英語でお愛想をいいながら、取り出したペーパーにOpaのルームナンバーをひかえている。つぎに彼女が取り出したのはワインリスト、あなた附帯のダイニング・クレジットでいかにワインをお得に買えるかとクドクド・・なんだ、ただのセールスだった。あまい妄想などしてないよ、してないしてない!ようやくおひきとり願い、エレベーターで9階、待望のマイルームへ。ツインベッドにシャワー、洗面所、トイレが独立してある。テレビ、クローゼット、デスク、いすとテーブル、もちろんオーシャンビュー・バルコニー、海を行くホテルである。空いたベッドにスーツケースを転がす。ひろげるのに便利だから、下船までそこが定位置となる。アルコール持ち込み禁止、飲みたければ船の高い酒をを買えということらしい。そうはいかん、さっそくご禁制の紙パック焼酎をスーツケースから取り出し、濃い水割りをいっぱいクッ・・さっきのシャンパンと化合してよくまわる、大船に乗った気分である、いや乗っているのである、ボンボヤージュ・・
by mizzo301 | 2011-11-06 17:29 | エッセイ | Comments(0)

ライオンの町、熊の町

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 シンガポールとはライオンの町という意味だそうだ。海に向かってぺーっと水を吐き続ける半獣半魚マーライオンは、その象徴であるらしい。英国人ラッフルズが初めて上陸したこの島は、人口わずか150人、猛獣が徘徊するうっそうたる熱帯雨林であったと、現地ガイド女史がいう。それが200年の間に野生はことごとく駆逐され、、やたらに人が増えて、ジャングルはモダンな高層ビルの林に変わってしまった。これでは野獣がどこかにひそむなど、とうてい考えられない。1950年ごろのある朝、ラッフルズ・ホテルの卓球台の下に、虎が一頭寝そべっていたのを最後に、以後シンガポールで野生の虎を見ることはなかったとガイドは語る。Opa、そこで日本の熊を思い出す。北海道では食糧事情やむなく、市街地にまでひんぱんに出没するヒグマたちがいる。昨年などはどこやらの町で、入り口の自動ドアをあけて、のっそりと洋品店に買い物にきた熊もいたよね。アイヌの人たちの熊を大切にする伝統と、近年の自然保護の気運もあって、北海道にはかなり多くのヒグマがいるらしい。本州でもあちらこちらで、ツキノワグマの活動がニュースになっている。もちろん人々に被害があってはならないが、日本の野生度なかなかのもんですやんか。見事に近代化したシンガポールで、日本の自然を誇りたいOpaであった。
by mizzo301 | 2011-11-03 18:15 | エッセイ | Comments(0)