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自転車のモンダイ

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 ドンをトリマーさんに預けている間に、映画を観た。「カーズ2」を観たかったが、時間があわず、やむなく「日輪の遺産」になった。浅田次郎原作の映画化である。時は日本敗戦前夜、エリート軍人、真柴少佐が密命受領に自転車でかけつける。その自転車を彼が止めた時、ブレーキがキーッと鳴った。バンドブレーキの音である。当時の自転車にはまだバンドブレーキがなかったはずである。画面には他にも数台の自転車が、ぼんやりではあるがどれも後輪はバンドブレーキ仕様に見える。Opaのうちでも戦前の自転車を、戦後も長く使っていた。当然バンドブレーキなどは、うちに限らず目にしたことはなかった。キーッと鳴く自転車の音を聞いて、おっ、バンドブレーキ、かっこいいっなんていった子供時代は、戦後何年かを経てからである。戦中、南方に侵攻した帝国陸軍に、自転車で行軍する銀輪部隊があった。密林や川でもかついで対処でき、高速兵員輸送手段として大いに活躍したという。もしその数百台の自転車にバンドブレーキが装備されていたら、小休止のたびにキキキキキキキーーーーッとけたたましいブレーキ音が密林にこだまして、動物たちを驚かせたばかりでなく、たちまち自軍の位置を敵に察知せしめたことであろう。当時はまだなかったはずのバンドブレーキ、もしあっても軍隊の自転車には禁物である。したがって真柴少佐の自転車も、キーッと鳴いてはいけないのである。
by mizzo301 | 2011-09-12 16:43 | エッセイ | Comments(0)

夏の思い出

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 今夏、庭仕事に季節労働者を一名受け入れた。お盆に家族と帰省した、関東に住む高一男子の孫である。炎天下、年老いた祖父の労働を見かねたのと、自分の下心の充足を兼ねた熱心な申し出を、Opaが受け入れたのである。さつき一本を二段の正方形に剪定、門扉のペンキ塗り、大汗をかきながら、その他与えられた雑役を彼はそつなくこなした。翌日はOpa苦役の日であった。一日で主従逆転、きのうの労働者に追い立てられて、梅田のサイクルショップに連行される。なんと知らぬ間に、彼の興味はラジコンから自転車に変異していたのだ。なんでも、子供のころから貯めにためた貯金をはたいて、十数万円の自転車を買ったという。それに高級なパーツを取り付け、さらなるグレードアップをはかるという、彼の今回の下心がようやくここで判明した。広い店内は自転車とそのパーツであふれている。一台が二十数万円、三十数万円はざら、百万円超の一台も飾られている。コルナゴとかいうイタリアの名車だそうだ。自転車といえば数千円のママチャリから、高くて数万円の電動アシスト車しか知らぬOpaにはびっくりの光景である。ドキッドキッ・・。Opaのふところを気にしながら、それでも気に入った買い物ができたとうれしそうにいう孫をみると、あの百万円のを買ってやればよかったのにと悔やまれた。悔やむのは実に簡単である。コルナゴはイタリアの高級自転車、コーナゴは佃煮になる小魚、似て非なる物なり。
by mizzo301 | 2011-09-09 22:41 | エッセイ | Comments(0)