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<   2011年 01月 ( 4 )   > この月の画像一覧

パンを焼く

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 古いパン焼き器をひっぱりだして、久しぶりにパンを焼いている。この頃ではベーカリーOpa、二日に一度の開店である。食パン、ごまパン、レーズンくるみパン、フランスパンなどが、レシピどおりにやるとかなり美味しく焼ける。手順はきわめて簡単、内釜にそれぞれ分量の強力粉、スキムミルク、バター、砂糖、塩、冷水を放り込み、ドライイーストをセットしてスイッチを入れるだけ、四時間後にはキチンから居間にまで、パンのいいにおいが流れてくる。むしょうにコーヒーを飲みたくなる。おまえたち、どんな関係やねん。それもあって焼き上がりは、やはり朝にセットするのがいい。レム睡眠にパンの焼けるにおいが忍び込み、明け方の夢は食欲にみちて、ないはずのコーヒーの香りまで・・ピッピーピッピーッ・・とつぜん階下でパン焼き器がOpaを呼ぶ。そこでハッと目がさめる。熱い内釜から焼き上がったパンを早く出してやらないと・・足もとのドンを起こさぬようにベッドをはなれ、階下のキチンであたたかいパンを抱く。老人のささやかな夢と幸せである。
by mizzo301 | 2011-01-28 11:24 | エッセイ | Comments(3)

びっくり松ぼっくり

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 金曜日には介助ヘルパーさんをお願いしている。先週その方が、とてつもなく大きい松ぼっくりを持ってきて見せてくださった。老夫婦の無聊をなぐさめるお心遣いである。スーパーの手提げぶくろから取り出されたそれは、まるでパインナップルの大きさである。毎朝通る海岸の松林には、小さな松ぼっくりがいくつもころがっている。それにじゃれて遊ぶのがドンは大好きである。それではとメガサイズ松ぼっくりをドンの前にドンと置いてみたが、なにかがちがうと思うらしく、しきりに首をかしげる。ヘルパーさんの故郷は、熊野の山深い里であるそうな。ある日、実家のご両親が山歩きをしていると、とある川のほとりに出た。そこへ川上から、この大きな松ぼっくりがどんぶらこどんぶらこと流れて来たという。そこでご両親はそれをひろいあげ、もしやこの実から桃太郎ならぬ、松太郎が生まれでるようなことがあれば、後生大事に育てようと持ち帰ったそうである。その後は無事に何も生まれなかったので、ニスをかけて大切にしているという、熊野の里人の物語である。
by mizzo301 | 2011-01-26 15:57 | エッセイ | Comments(0)

ぶり大根、手ぶくろ風味

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 正月にエプロンを買った。黒地に白の縦じま、我ながらよく似合う。主夫の座をあずかっておよそ一年、代用品の古いワイシャツをようやく捨てた。専業主婦の覚悟をきめたってことじゃないんだけど、ビニールの炊事用手ぶくろも買った。手指が荒れて、左の人差し指にひび割れが生じ、ときおりバイオリンのE弦がふれて痛い。ワセリンをすりこんでみるが、たいした効き目はない。そこで炊事には手ぶくろを用いることにしたのである。真新しいのを両手にはめて、昼食のうどん用に引っこ抜いた青ネギを洗い、まな板にのせてきざむと、そこに何やら白いものがまじる。何のことはない、手ぶくろの指先をいっしょにきざんでいる。買ったばかりの手ぶくろがパー、ま、自分の指をきざまなくてよかった。結局、水仕事とそれ以外で、手ぶくろをはめたりはずしたりしないとあかんことになる。たとえばぶり大根、ぶりに塩をふっておく。手ぶくろをはめて大根を洗う。はずして大根の皮をむきそれを切る。はめて塩をふきとったぶりを湯にくぐらせ水にとり、水気をふきとる。はずして大根とぶりを鍋で煮る。手ぶくろの着脱四回、簡単そうに思えるだろうが、そうではない。主婦の方々はご存じのとおり、ビニールの手ぶくろは手指にまとわりついて、実に扱いにくい。防寒用の手ぶくろとはまるでちがう。それでも主婦、いや主夫の大敵、手指の荒れにはかえられない。ここはあきらめて、しばらくは指先のないビニール手ぶくろのご厄介になるしかなさそうである。
by mizzo301 | 2011-01-21 10:17 | エッセイ | Comments(4)

越年を記す

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 音を消した紅白歌合戦を、ぼんやりと見ながら酒を飲む。つまらないテレビもないとさびしい。酒びんの林。帰省中の娘一家は、別室で古いゲーム、ゼルダの伝説にはまって声もない。ソファでドンが腹を上にして、チンポコ丸出しで目をむいている。テレビを消す。これで今年もおしまい。強風のせいか除夜の鐘も聞こえない。この寒波では坊さんも大変だ。謹賀新年、彼岸へ一歩、感懐なし。
by mizzo301 | 2011-01-01 14:21 | エッセイ | Comments(0)