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<   2010年 07月 ( 3 )   > この月の画像一覧

また金魚・・

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 また金魚を飼うことにした。昨年10月に最後の一尾をなくしてから、睡蓮鉢にむなしく立ち上る酸素ポンプの泡をながめて8ヶ月、水中に赤いおととが見えないのはやはりさびしい。それにしても前回は一度に百尾、それを諸般の事情あってわずか2年あまりですべて彼岸へ送ってしまった。その轍は踏むまい。今回はホームセンターで十尾を購入、睡蓮鉢に放った。最初は人見知りで水底にかたまっていたのが、二日目の朝にはOpaの手からこぼれる餌をもとめて活発に泳ぎだした。どうしたことか三日目の朝に、一尾が腹を横にして浮いている。うすい塩水でこしらえた、ポリバケツの集中治療室へ隔離するが、夕刻には心肺停止、やむなく棕櫚竹の根方に横たえた。朽ちていく姿を毎朝ながめて最期を見送ってやろう。ふいの死は、なにか悪い小児病ででもあったのか、さいわい残りの9尾は元気にひと月あまりが過ぎた。早朝、雨戸を開くとすでに水面に口をそろえて餌をねだる。みんなすっかりOpaを頼っていると思えば悪い気はしない。今では金魚の点呼が朝一番のつとめとなった。餌をもとめて活発に泳ぎ回る彼らを目で追ってすばやく数えるのである。に、し、ろ、は、く、では間に合わない。にしろはく、のスピードが必要である。昨年は白内障の手術で視力向上、今年は金魚のおかげで動体視力が向上しそうである。
by mizzo301 | 2010-07-21 17:07 | エッセイ | Comments(0)

弦楽セレナーデ

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 久しぶりにオーケストラの雰囲気を味わった。大学の後輩F氏の熱心な呼びかけに応じて、同窓会50周年記念演奏会に、枯れ木も山の賑わいとばかりに同期のM君と共に楽器を持って出かけた。練習初日には、現役の奏者、教師、専業主婦あるいは主夫、年金生活者、57期生という大学を出たばかりのお嬢さんから、上はM君とOpaの9期生までさまざまな世代の四十余名が集まった。自己紹介で9期というと、どっと感歎の声、どうやら二人は化石のごとき存在らしい。曲目はチャイコフスキーの弦楽セレナーデ、それを二時間の練習三回、ゲネプロ・本番という予定だという。決して演奏のやさしい曲ではない、できるんかいな? 孫たちのような二十歳台の女性たちに囲まれてビオラを弾く。なんと彼女たちのあざやかな腕前、Opaがこの日にそなえてしゃかりきに練習した、臨時記号多発、難度のたかいフレーズもなんなく乗り越えていく。もともとビオラの音は、受け持つ音域のせいもあってオーケストラではさえない。ところが彼女たちのビオラが発する音ははつらつとして実に明快である。さえないのはどうやらOpaだけのようである。これはひとえに弦のせいにちがいない、と化石は考えた。帰宅するや早速PCで高価なビオラ弦を発注、新しいのと交換、張り切って二度目の練習に出向いた。だが何もかわらない。むつかしいところでは相変わらずぼそぼそと音がかすみ、とても彼女たちのようにはいかない。たいまいをはたいてやっと気がついた。交換が必要なのは弦ではなく、腕のほうであった。
by mizzo301 | 2010-07-13 16:04 | エッセイ | Comments(0)
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 ある夕、コンサートに誘っていただいた。若きバイオリニスト五嶋龍とアンサンブル・ディト。実はディトとは何かを知らぬまま、五嶋龍の名にひかれて出かけた。はたしてディトは、アメリカで研鑽をつんだ若き韓国人英才たちが組織するピアノ四重奏団であった。その日本デビューに五嶋龍が共演するコンサートである。ディトの演奏はシューマンのピアノ四重奏曲・変ホ長調、ブラームスのピアノ四重奏曲第一番・ト短調の二曲である。いずれも精緻に仕組まれた難曲を、若い躍動感とゆたかなテクニックを自在にあやつり、のびのびと弾きすすめてゆく、その演奏は見事というほかない。拍手喝采を惜しまない聴衆は大半が女性であることをあわせて、まさに韓流おそるべしの感を深くした。さて五嶋龍はといえば、プログラム最初にビオラとのデュオ、最後にエンニオ・モリコーネのせつないメロディーをディトと共演、あれっ、それだけ?と思ったら、彼は予定外といいながらソロでアンコールを弾きだした。曲名を告げてくれなかったが、それは庭の千草のテーマによる長い超絶技巧変奏曲であった。奇しくもサッカー・ワールドカップ、日本対パラグアイ戦の夜である。五嶋龍君、拍手と歓声で熱狂する聴衆を制し、いきなり君が代を弾き出した。そのバイオリンにあわせ聴衆が歌い出す、パラグアイ戦必勝祈念の君が代が満堂にあふれたシンフォニーホールの一夜であった。
by mizzo301 | 2010-07-11 11:08 | エッセイ | Comments(0)