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自家産の竹の子を食う

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 庭先に細いたけのこがニョキニョキと何本も顔を出した。雨後の竹の子というがこんなに多いのは初めて、ほうっておくと狭い庭が竹藪になってしまう。剪定鋏で片っ端から刈り取り、ためしに食べてみようと考えた。その昔疎開先の母の実家で、近所の竹藪で刈り取った細い竹の子を、祖母が煮てみんなで食べたのを思い出したのである。なにせOpaご幼少のみぎり、うまかったかどうかまでの覚えはない。戦時中のことゆえ、それは食料不足を補う苦肉の一策だったのかもしれない。その竹の子をハチクとみんなが呼んでいたのをおぼえている。庭に大量に出た竹の子は、遠い記憶のハチクに似ている。そいつを六十数年ぶりに食う気である。スーパーなどで中国産のゆで竹の子が出まわる中、これは純国産、自家産、究極の地産地消である。食わない手はない。三十センチほどの竹の子に、先から根っこまでたてに一本ナイフを入れ皮をはぎ、十数センチほどになった中身を残す。それを爪楊枝が通るほどに、小一時間ゆでる。次に醤油とみりんで味付けをしただし汁で煮て、生わかめを加え味をふくませると、若竹煮の出来上がりである。鍋から熱いやつを一本つまんで、根っこのほうをかんでみる。サクッとうまい。これはいける。だが先の方は葉の繊維みたいなのが、クチャクチャと少し口に残るが味は悪くない。パンダ好みの若竹煮か・・その晩の焼酎によくあう一品ではあった。
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by mizzo301 | 2010-05-30 18:50 | エッセイ | Comments(0)

うん歩の朝

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 ずいぶんご無沙汰をしてしまった。その間、老骨の身を案じてくださるコメントをいただくなどとてもうれしかった。感謝申し上げます。主夫の多忙をよいことに、生来のずぼらが居座ってしまったが、ドンのうん歩は朝夕欠かさなかった。まるで空き巣ねらいの下見よろしく、よそ様のお庭をのぞきながら海岸に向かう。ある家にはうつぎ、おおでまり、こでまりの白い花が咲きこぼれ、色とりどりのバラ、ビオラやパンジーであふれるはなやかな庭があり、その先には葉桜が茂り、柿の木の根方につわぶきの葉のつややかな濃い緑、ナデシコのピンクがゆらいでいるだけの里山のようなお宅もある。ドンに引かれて町内をぬけ、南海電車の低いガードをくぐり、雑木林のせまい急坂をくだると里海公園である。あたり一面クローバー、その白い花を踏みしだきながらまばらな松林を過ぎるとハーブ園、ラベンダーのあいやむらさき、カモミールの白と黄、花をおえたローズマリーなどが一面に茂る小径を行く。海岸沿いの遊歩道を一本へだててさわさわと潮騒が聞こえる。好天の朝は関空、淡路島、明石海峡大橋、神戸市街まで大阪湾を一望できる。Opa胸一杯に深呼吸、ドンはしゃがんでウンチッヒ。うんち入りポリ袋を片手に遊歩道を百数十メートル、往きとは別のルートで公園を出て坂道を上り、踏切をわたる。ここからはわざわざ町内一の広く長い急坂を選んで帰るのである。この難行で真冬でも汗をかく。登りつめるころにはドンも舌を出してあえぎ、必ずうらめしそうにOpaを見上げる。ここからはゆるやかな坂を下り、もうひとつ対面の坂道を登れば我が家は近い。毎朝小一時間のうん歩である。
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by mizzo301 | 2010-05-26 16:05 | エッセイ | Comments(1)