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<   2008年 07月 ( 4 )   > この月の画像一覧

蜂のムサシ

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 戸外のテーブルを動かしたとたん、数匹の蜂にいきなり襲われた。やみくもに両腕で振り払うが、蜂の攻撃は執拗である。結局防御が手薄な膝小僧を2カ所刺された。子供の頃ならそこへ小便を塗りつけるところだが、今回はキンカンのお世話になる。こわごわテーブルの下をのぞくと、拳大の巣に数匹の蜂が忙しなく蠢いている。毒虫用のスプレーを巣めがけて噴射、蜂共を追い払う。巣には白い幕でふさがれた穴もあって、中にはウジ虫のような幼虫がいるはずである。子供の頃は、そいつを引っ張り出して食べたものだが、今回は止めておこう。目下営巣中の巣であるから、しばらくすると外出中の蜂が三々五々戻ってくる。膝小僧を刺さされた敵とばかり、情け容赦なく何度もスプレーを噴射、大あわてで近くのうつぎの葉にしがみつき、はらはらとそのまま落命するものもいる。テーブル下の巣はもぎり取ってゴミ箱へポイッ、一件落着。
 ハチのムサシは 死んだのさ 夢を見ながら 死んだのさ・・・
 これじゃ夢もへちまもない。蜂の権利を踏みにじる禿じじいの残酷な振る舞い、許せムサシ・・・
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by mizzo301 | 2008-07-22 16:30 | エッセイ | Comments(0)

Donn Happy Monday

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 プードルの子犬がやって来た。茶色の雄、名前はドン、三代目の襲名である。フルネームはDonn Happy Monday、いうなれば週末の売れ残り、あるいは残りものに福である。月曜日の犬屋で、お姉さんにホイッと抱かされた。柔らかい毛並み、クリスマスイブの夜、墓穴で撫でた白い柔らかな毛並み、亡き先代ドンをふと思う。腕の中の子犬は、あどけない目でしきりにOpaの顎をなめ、連れて帰れという。この子犬を飼えという神の御業か、二度と犬は飼わぬという固い決意はたちまちヨーカイ妖怪溶解、気づくと犬は車に居た。七月の暑熱は恐ろしい。
 小さなハーネス、リード、ケージ、給水ポットなど、全て処分した愛犬グッズを再びそろえて帰宅、部屋の隅に排便用パネルを置いた。新居に戸惑いながらも、足にまとわりついて離れないドン、新しい家族である。おやつのビスケットを取ってやろうと立ち上がったOpaの右足が何かを踏んだ。あんこのような感触、新しい家族の新しいウンチである。ケンケンでトイレに行き、便器の水たまりで足を洗う。幸先の案じられる、幸せな月曜日であった。
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by mizzo301 | 2008-07-14 10:32 | エッセイ | Comments(0)

千里変貌す

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 千里で飲んで一泊、翌朝あたりが大都会であることに気づいて驚いた。この丘陵が60年代のニュータウンラッシュ、70年の万博を経て半世紀、営々と開発が続けられたことを思えば当然ではある。今やニュータウンはオールドタウンと化し、高層マンションやデパートを縫うように鉄道やバス路線が走る。往来をおしゃれ人士が行き交う。大阪のディープサウス、泉南の旅人にはここはすでにパリかと見まごう外国である。
 60年の昔、叔父の自転車の荷台に乗せられて行った山の畑は今いずこ。豊中から悪路の山坂、田畑や雑木林と竹林をいくつも過ぎて、やっとたどり着いた山の畑では柿がすでに色づいていた。記憶はそれだけであるが、そこは秋色に包まれた深い里山の風景であったにちがいない。ヤマダ(山田)・クマンダ(熊野田)・サクライダニ(櫻井谷)などいくつか集落の名を思い出す。いかにも鄙の地らしく、狐狸や熊がいそうである。千里はそんな里であった。せめて地名は健在であろうか。ほど近い国道171号線は、かつて大名行列が行き交った西国街道である。街道沿いには萱野村、忠孝の狭間で自害して果てた赤穂義士、萱野三平の生地である。茨木近くには大名の宿所、椿本陣があったが今も保存史跡なのであろうか。遠い記憶が次々とよみがえる。
 千里の今昔に思いをはせながら地下鉄を探して歩いた。途中のアーケードによく磨かれた酒屋のウインドウ、見覚えのある老人が戸惑っている。それは都市の変貌より、突然ガラスに映った己の変貌に愕然とする哀れな老人の姿であった。
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by mizzo301 | 2008-07-08 18:47 | エッセイ | Comments(0)

老人力の怪

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 この頃、殺傷事件の陰惨なニュースが多すぎる。中でも驚いたのは、柏市の77歳の男による家族4人惨殺である。妻と息子夫婦、4歳の孫娘まで手にかけるという、信じがたい凶行である。77歳といえばいわゆる後期高齢者である。事件の残虐性はさておいて、驚くべきはその体力と気力である。男は部屋を移動しながら、長さ1メートル、5キロのハンマーを振るって家族を次々と殴殺したという。77歳とは信じがたい体力の持ち主である。しかも人一人あやめるだけでも、強い気力が無ければ断行できるとは思えない。それを立て続けに四度も実行したのである。想像できるのは残虐性とは対極にある、健康で頑健な身体と気力を持ち合わせた老人である。
 少し前のNHKテレビ、鶴瓶さんの家族で乾杯で、嬉々としてラグビーに興じる70代80代の男達がいた。後期高齢者などクソ食らえ的老人パワーに驚いた。スポーツに限らずこういう活力にあふれた高齢者が、案外大勢全国で活躍しているのならうれしい。Opaなど後期高齢者予備軍にも希望がわくというものだ。一方で柏市の77歳老は老妻の介護疲れから犯行に及んだという。だがその行為は、疲れ果てた老人に果たせるようなものではない。犯行時の行動を見れば、陸上競技のステージでハンマー投げでも出来そうな気力体力を持っていそうである。どんな事情があろうと犠牲になられたご家族の無念は尽きないが、己の強いパワーで自分自身を殺人者に仕立て上げてしまった老人も哀れである。
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by mizzo301 | 2008-07-02 18:37 | エッセイ | Comments(0)