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<   2008年 04月 ( 4 )   > この月の画像一覧

酒脳対談

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 外で飲み過ぎて記憶が無いのに、目覚めてみると家で寝ていた、なんてことがある。昨夜の飲み会で、同席の諸氏に対して失礼な言動がなかったか、金は払ったのだろうかなどと急に心配になる。不思議に二日酔いにはならないが、記憶が丸でない。意地汚く飲むOpaの朝である。流行語でいう、飲み助の品格に欠けるのである。
 二人の脳科学者共著、書名もずばり「記憶がなくなるまで飲んでも、なぜ家にたどり着けるのか」が、酒と脳の関係を説いて面白い。家にたどり着けるのは、脳内ナビのお陰だという。脳で理性を支配する前頭前野部が、飲み過ぎると記憶を作れなくなる。だが通い慣れた道などの古い記憶は保存されていて、目で見たランドマークを頼りに行動する。だが新しい記憶は作れないから、行動の記憶は全く残っていないということらしい。
 巻末で共著者の教授お二人が「酒脳対談」をなさっている。酒豪というT先生が、酒の効用と楽しさを語っていらっしゃるのに対して、飲まないK先生は飲酒を理解しながらも、酒の害に実に手厳しい。脳細胞の数は生まれた時が最大で、後は加齢と共に脳のどこかの部分が減り続ける。ところがアルコールを飲むと、理性を支配する前頭前野に限定して急速度で細胞が減少する。生涯に飲むアルコール量に比例して脳の萎縮が急速に早まる。脳は加齢とアルコールでだんだんとスカスカになっていき、しかも脳細胞減少による症状は徐々にではなく、ある数に減ったところで突然現れる、というのである。
 それって年寄りの大酒飲みは、ある時突然に理性を無くし、認知症で人格破滅の朝を迎えるってことか・・。恐ろしいことである。この本は間違いなく酒とスリルを愛する後期高齢者にお薦めの一冊である。頭が近頃涼しいのは、少ない髪の毛のせいではなく、Opaのスカスカ脳を春風が吹き抜けているからかもしれない。
by mizzo301 | 2008-04-24 23:33 | エッセイ | Comments(0)

KY式日本語

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 今朝のテレビが、KY式日本語を語っていて面白かった。現代の若者間で流通する隠語のイメージがあるが、実は古い歴史があるらしい。NHK(日本放送協会)KDD(国際電信電話)などもKY式だという。そういえばNHK大阪局をさすJOBK、これをジャパンオーサカバンバチョウカドといったのを思い出す。実際に放送局は馬場町の角にあったから、KY式の古い傑作の一つといえるだろう。また高校時代、海軍出身の化学の先生からもいくつかの隠語を教わった記憶がある。若い女性はCu、これは銅の化学記号、銅から英語の娘daughterを連想、故に娘はCu。そのCuたちにMMKが、我が帝国海軍の若き士官達の夢であったというのである。MMKはモテてモテて困るである。
 さてTVの紹介する現代のKY式である。ATMが「あほな父ちゃんもういらん」NTT「荷物担当」FFK「ふられてふられて帰る」、さらにITはインフォメーションテクノロジーと思いきや、「アイス食べたい」HDはハードディスクではなく、「鼻毛出てる」CZ「チャック全開」なんだそうだ。
 Opa、MMKには無縁の人生であったが、この上老いさらばえても、HDやCZには気をつけなくちゃ。
by mizzo301 | 2008-04-20 20:05 | エッセイ | Comments(0)

イカナゴのくぎ煮

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 誰が考えたのかイカナゴのくぎ煮とはうまい呼び名である。佃煮ではあるが、見た目は折れ曲がった古くぎそっくりに仕上がっている。そのイカナゴのくぎ煮、今が旬である。大阪湾から瀬戸内一帯が好漁場で、ここ泉州でもそのくぎ煮作りは盛んに行われる。だが神戸以西沿岸の人々のくぎ煮作りへの熱意と愛着はひとしおで、阪神大震災の仮設住宅でも、イカナゴを煮る人の姿が多く見られたという。味には自分なりの一工夫で、それぞれ家庭の味が自慢でもあるようだ。
 うれしいことに、Opaんちにもその家庭の味イカナゴのくぎ煮を毎年届けてくれる友人、M夫妻が神戸にいる。二人は共に音楽家である。夫君は無頼派のテナーで、かつては赤いポルシェで浮き名を流したが、今ではWiiで大人しく遊んでいるというから可愛いものである。細君は練達のピアニストで料理人、その料理はピアニストでありながら平均率を捨て、瀬戸内にたゆとうリディアの旋法を理想にするという。はたして彼女の煮るイカナゴは、どういう塩梅か実にうまい。まこと芋焼酎の良き友である。生きたままのイカナゴを用いるのがその秘訣らしい。
 旬到来、焼酎を据えて待つことしばし、ほどなくM家からクール便が届いた。早速ほどいてみると、なんと中身はイカナゴのくぎ煮ならぬバウムクーヘンである。なんじゃこりゃ!手紙がある。
 「拝啓、お元気ですか。三月の明石沖での海難事故で、残念ながら今年はイカナゴのくぎ煮をお送りできません。つきましては、早朝四時半から並んで買った超人気のバウムクーヘンをお送りいたします。来年は必ず会心のイカナゴのくぎ煮をご賞味いただきます。それまで気を落とさず、生きたままでお待ちください。かしこ」
by mizzo301 | 2008-04-13 11:16 | エッセイ | Comments(0)

登校したへびの子

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 名古屋市のペットショップから盗まれた亀が、翌朝には店頭へ返されていたという記事を読んだ。55万円もする高価な亀だそうだ。大騒ぎになって怖くなった犯人が、こっそりと戻したのだろうという。ご無事でなによりです。
 無愛想な小動物にしか見えない亀だが、飼った人はいう。子供にせがまれて飼った小さな亀を床に置くと、人を追って歩くのだそうだ。声もなくひたすら慕い寄られる風でいじらしかったという。なるほど、睡蓮鉢の金魚ですら、人が寄ると口をパクパクさせて餌をねだる。人に甘えるようでなんとも可愛い。自分が飼えばどんな生き物も可愛いに違いない。だが現代は思いもよらぬ生き物をペットにして飼う人がいる。トカゲやへびはまだいいが、サソリなんぞに慕い寄られたらどんな気持ちがするのかしら・・・
 中学生の頃、学生服のポケットでシマヘビの子供をしばらく飼ったことがある。通学途上、ポケットに手を入れるとひんやりと指に絡んで気持ちが良かった。毎日一緒に登校した。学校では教科書のページに挟んで、押しへびにして忍ばせた。だが20センチにもみたない子へびは、何を与えても食べず、ある日ポケットの中で伸びきって衰弱死した。可愛がっていたつもりが、実は校内いじめであったのかもしれない。学校に馴染めぬまま死んでしまった相棒の長い遺骸は、簡単には捨てきれず、薬局のおじさんに頼んで小さな瓶のアルコール漬けにしてもらった。その小瓶は勉強机の隅で長年Opaを見守ってくれたが、その後いつどうなったのか、今ではさっぱり思い出せない。
by mizzo301 | 2008-04-08 18:34 | エッセイ | Comments(0)