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<   2007年 06月 ( 6 )   > この月の画像一覧

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 夕刊を見て驚いた。豊中出身の神尾さん、チャイコフスキーコンクール・バイオリン部門で優勝と一面で大きく伝えている。日本人のバイオリン部門優勝では、1990年の諏訪内晶子さん以来二人目となる。また若き日本女性の快挙である。それに豊中という、Opaに多少縁ある町の出身というのも、コテコテの大阪人としてうれしい。泉南出身、河内出身、道頓堀出身、新世界出身ならもっと嬉しいかも・・。
 東西冷戦時代、旧ソヴィエトの文化的優位を誇示するためにチャイコフスキーコンクールが創設されたという。1958年のことである。それから4年ごとを原則に開催されたが、その運営予算調達はいつも大変だったようだ。諏訪内さん優勝直後の1991年にはソヴィエット崩壊の混乱、その後の開催が危ぶまれたが、1994年には日本企業パイオニアがスポンサーとなって開催されている。また今回の開催予算は7億8千万円、その三分の一をトヨタが負担したという。ロシア全土を、色とりどりのカローラが走り回る日は近い。
by mizzo301 | 2007-06-30 19:45 | エッセイ | Comments(0)

ウィーンフィルと指揮者

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 オーストリアでは大統領選より注目されるという国立歌劇場の監督選びで、ウェルザー・メストが次期監督に決まったと今朝の新聞で読んだ。小澤征爾の後任である。そのオーケストラでクラシック音楽ファン憧れのウィーンフィルハーモニーも、数年前に民営化されている。その時音楽監督に選ばれたのが、日本人指揮者小澤征爾であるという。30年近いボストン響での実績とジャパンマネーが期待された上でのことだと聞く。一方団員達には、民営化で年金が公務員として扱われなくなることへの不満があるらしい。民営化でもめてるのは日本の郵便屋さんだけではなかったのだ。
 ウィーンフィルの160年は、そのまま自主運営の歴史であるともいう。極めて優れた演奏水準に楽員の誇りは高く、二流の指揮者で演奏した時など「奴は最初の合図は出したが、後は極めて無抵抗についてきた・・」などと評したそうである。だが自主運営の精神は演奏だけでなく、昔は困窮した往年の作曲家などの救援にも生かされたという。そんなコンサートの一つ、交響曲作家ブルックナーを指揮者に招いた時のことである。この温厚な作曲家は数分間にこやかに指揮台に佇んだまま指揮を始めようとしない。困ったコンサートマスターが「先生どうぞ指揮を始めてください」と促すと「いえいえ、それはいけません。お先にどうぞ」とブルックナー先生は応えたそうだ。それからどうなったのか知りたいところだけど、書かれているのはそこまで、レブレヒト「巨匠神話」のひとこまである。
by mizzo301 | 2007-06-28 18:33 | エッセイ | Comments(0)

失われたBGM

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 梅雨だというのに蛙の合唱が聞かれなくなった。田植えもすんだこの季節、以前は夜通し眠れぬほどに、蛙達の大合唱が聞こえたものである。ところが昨今、彼らのステージ田圃が減って、合唱団は解散を余儀なくされたらしい。失業した蛙たちは一体どこへ行ってしまったのだろう。つぼかび症という彼らにとって恐ろしい病気もあると聞いた。両棲類を絶滅させるほどの劇症だという。蛙達の奏でる夏の夜のBGMを懐かしみながら、彼らの息災を願うばかりである。
 蛙にも一匹ずつ違う表情があるのだろうか。というのは、我が家の南天や睡蓮鉢付近に緑鮮やかな雨蛙が時折現れる。だが複数が同時にというのは一度も見たことがないから、それが同一蛙なのか別人いや別蛙なのかがわからない。いつ会っても瞬きすらしないからなおさらである。この無表情を、蛙の面に小便という。蛙は小便ごときにはケロリとしてまるで動じない風情ではある。一度蛙の面に小便をかけて試してみたい。だがむしろこの表現は、何と言われようとしらを切り通す鉄面皮の人を差して言う。現代日本では特に政治や官僚、経営者の世界でこの手の人種が増殖しているらしい。一度こちらの面にも小便をかけてみたい。
by mizzo301 | 2007-06-21 19:43 | エッセイ | Comments(0)

蛍の光今いずこ

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 蛍の季節である。暗闇で竹箒を振り回しながら、小さな流れの土手で蛍を追った子供の日が懐かしい。麦わらで編んだ蛍駕籠に露草と一緒に入れて庭木に吊し、霧吹きで霧を吹いてやったものだ。その蛍が、いつの頃からか身近に見られなくなって久しい。水質汚染で幼虫の餌、川蜷が激減したせいだといわれる。それでも蛍は懐かしい。日帰りバスツアーなどで、わざわざ遠くまで出かけてでも蛍狩りを楽しむ人は多いようだ。
 十年ほど前、飛騨の山中に数泊して久しぶりに蛍を見る機会があった。宵闇の森に流れる河霧を縫って、飛び交う蛍の乱舞である。それは見事な光景であった。持参の焼酎を飲むのも忘れ、Opa大口を開けたまま、夢見心地のまま幻想の世界を彷徨い続けたのだった。それが最後の蛍体験である。
 ところが最近、思いがけぬ蛍情報がもたらされた。Opaの住む住宅地を、小さな用水路が貫流している。その流れに蛍が現れるという町内の噂である。自分ではまだ見ないが、どうやら噂は本当であるらしい。昼間そこを通ると、周りの花壇が見物人に踏まれぬよう、目印様に床几などが置かれている。川蜷が復活するほどに水が綺麗になったのであれば嬉しいことだ。蛍は見たいが、先ずは芋焼酎で乾杯。
by mizzo301 | 2007-06-17 19:44 | エッセイ | Comments(0)

監督の食べたものは

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 カンヌ映画祭で大賞を得た映画「殯の森」の監督、河瀬直美さんがテレビ出演したそうだ。以下はそれを見てショックを受けた家人の受け売りである。
 監督は自作の映画「垂乳女」で、自分の出産を自分自身で撮影した。これだけでもすでに常人のなせる技ではない。へその緒も自分で切って処理したそうである。驚くべきはその際、彼女は自身の胎盤を食べてしまったのだ。話の成り行きに困惑狼狽気味の聞き手をよそに、彼女はその話題にこだわり続け、胎盤はおいしかったと、平然と語り続けたそうだ。テレビのこちらで戸惑った人もさぞ多かっただろうと想像できる。
 犬など動物が出産の際に胎盤を食べることは知っている。だが現代日本では、家畜の出産は殆ど獣医の分野であり、へその緒や胎盤の処理は人の手で行われる。動物が自分で胎盤を食べるのを見る機会は先ずないだろう。Opaも友人の獣医を見よう見まねで、愛犬の産褥を整えたことが何度かある。次々と生まれ落ちる子犬のへその緒を切り胎盤を剥がして、洗面器で産湯を使わせ、湯たんぽのバスタオルに並べていく。小さな命の誕生に関わる喜びでわくわくしたものだ。だが胎盤がそんなにおいしいとは知らぬから、新聞紙に包んで生ゴミで捨ててしまった。惜しいことである。
by mizzo301 | 2007-06-12 19:50 | エッセイ | Comments(0)

指揮者か詐欺師か

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 「指揮者ほど詐欺師のつきやすい職業はない」 かつて「バイオリン演奏の技法」の著者、カール・フレッシュは書いたそうだ。いわれてみればOpaも若き日、相手が指揮者か詐欺師か分からぬままに、交響楽団でバイオリンを弾いていた時がある。彼らの身振り手振りや表情が偽物か本物か、善良な音楽愛好家に見分けは難しい。有名=本物、日本の方程式に従って、大枚を払い超有名な指揮者を眺めていれば間違なしといったところだろう。
 これら世界の大物指揮者を手玉に取っていた謎の興行師、ロナルド・ウィルフォードが、「すべての指揮者の指揮者」としてレブレヒト著「巨匠神話」に紹介されている。ニューヨークやウィーンを初め、世界の有名オーケストラに指揮者を手配し、契約料の20%をせしめ大金を稼いだという。結果、指揮者の契約料は高騰し、楽団員は低賃金に喘ぐのが世界のオーケストラの現実となっていく。小澤征爾もカラヤンとバーンスタインの二人から彼に紹介されている。ウィルフォードの権力は強大で、大指揮者アンドレ・プレビンですら「私や小沢などは、彼の意見を聞かずに他所には移りません」と語っている。
 音楽で大富豪となったカラヤンも彼と結託、互いに巨富を紡いでいる。その上カラヤンは、ベルリンフィルの楽員にリハーサルの手当をはずみ、録音録画した全てをレコード、CD、映像にして世界中で荒稼ぎをしている。さらにベルリン、ウィーン、ザルツブルグといったお膝元での他の指揮者の活動を、手の込んだやり方で制限までしたようだ。正に利権の帝王である。特に夏のザルツブルグには、陰謀とスキャンダルが渦巻いていたという。
 かつてカラヤンはナチ党に二度も入党、時の政権にすり寄っている。だが変わり身は早く、戦後の楽壇で早くも成功、フェラーリを乗り回しジェット機を操縦、銀行家や世界の富豪を友とした。本の終わりでは、入党もせず純粋に音楽を愛し、哲学者や文人を友とした往年の大指揮者フルトヴェングラーとさりげなく比較されている。
by mizzo301 | 2007-06-06 14:14 | エッセイ | Comments(0)