人気ブログランキング |
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28

<   2006年 12月 ( 8 )   > この月の画像一覧

Opaは関空の回し者?

d0087054_552433.jpg

 久し振りの大阪伊丹空港である。関空開港直後の寂れようから、今頃は半分狐狸の里かと思って来た。何のことはない大賑わい、閑古鳥鳴く関空国内線とは大違いである。
 60有余年前、Opaは子供時代をこの当たりで過ごした。当時ここは軍の飛行場であった。といっても見たところただの野っぱらである。いつも数機の赤い複葉練習機がひらひらと低空を舞い、人はそれを赤とんぼと呼んでいたのを覚えている。戦後は米軍基地となり、耳をつんざくジェット戦闘機の乱舞であった。やがて民間航空の時代となったが、人々はその利便性より騒音の被害を強く訴えるようになる。周辺自治体十一市が結束、官民上げての空港出て行け大合唱にはかのベートーベン氏も驚いたという。
 その頃泉州の釣り人Opaは海洋汚染を恐れ海上空港反対、伊丹空港の環境改善と存続を訴えていた。所詮は犬の遠吠え蛙の面にションベンである。海上空港関空の建設は決まった。当然伊丹空港駆逐の大合唱は鳴りやんだが、不思議なことにその頃、同じステージから空港存続の歌声が聞こえ始めたのである。これにはベートーベン氏もあきれたという。一旦追い出しにかかっておきながら、いざ自己の利便性が損なわれるとなると、手のひら足の平を返しての存続固守だという。政府もすでに決定した全廃をあっさり撤回、いい加減なものだ。今や伊丹空港は国内便で大繁盛。建物は人で溢れ、頭上にはモノレール、上空は百機夜行の大賑わいということだ。
 片や関空、アクセスの悪さを人はいうが、外国の空港に比べても都心からそう遠い距離ではない。それが証拠に臨空タウンのアウトレット商業施設など休日は人で溢れている。さらにOpaが最も気がかりだった海洋汚染も聞かない。それどころか、関空が人工の大魚礁となり周辺海域の魚種まで増えたという。その上神戸が近い。関空からボートに乗れば二十数分で神戸に行ける。泉州人は南京町の豚まんとすぐお近づきになれるのだ。その上泉州の海へ落ちる夕日は格別に雄大で美しい。全国の人々にぜひ見てほしい。
 ありゃりゃ、あれほど関空建設に反対だったOpa,いつの間にやら関空の回し者になってしまったようだ。
by mizzo301 | 2006-12-29 05:53 | エッセイ | Comments(0)
d0087054_13171967.jpg

 別府を旅した。週末から二泊の湯巡りである。
 Opaが子供の頃、九州は絵はがきで見る世界、今の外国ほどに遠かった。
最初に訪れたのは1957年、Opa高二末の春、修学旅行である。先ずは天保山から別府へ一泊の船旅、地獄巡りのどこかの園内、何故か場違いな檻にくたびれた一頭の雄ライオン、お互い寝ぼけ眼でしばし見つめ合ったものだった。阿蘇行では、我が列車の先頭に立つSLが噴煙を吐きながらカルデラを力走する勇姿に声を上げて感嘆、新幹線など思いもよらぬ高校生達である。遠い記憶の断片はそれが何泊の旅であったかも忘れたが、三等夜行列車でのくたびれ果てた帰阪であった。それが今や機上であめ玉一個をしゃぶる間の旅である。
 さて今回の別府行、ありがたやご招待の旅である。孫の風呂好きおやじ小5のケン、のっぽ美女中3のイーアン、老人3名、娘夫婦とその財布殿ご一行である。旅は総勢8名一致団結、終始和気藹々となるはずであった。だがOpaの性倦くまで卑しくいじましく、己が払わぬとあらば昼間から、これでもかと飲む喰らう餓鬼道一目散のあさましさ。更に夜展開部に突入、枝豆からステーキまで全てのメニューをベシュテレン、芋焼酎の一気飲みまで孫達に披露する始末、やんややんや!
 翌朝当然ながらOpa重度宿酔発症。財布殿ご一行、Opa一人を残して地獄巡りにご出立。Opa一人、宿の布団で悶々と二日酔い地獄巡りの一人旅を満喫したのであった。
by mizzo301 | 2006-12-26 13:21 | エッセイ | Comments(0)

蛙の受難、大腸検査

d0087054_753746.jpg

終戦直後の極端な食料と物不足、子供達のお菓子や玩具など皆無であった。何がなくても子供達は遊ぶ。蛙を池で捕まえてストローでお尻から空気を腹いっぱい吹き込む。風船玉になった蛙をまた池にに放す。浮力のついた蛙はなかなか水中へ潜れない。子供Opaはそんな蛙を何匹も泳がせて遊んだものだ。ある日にはトンボの尻尾にマッチを差して点火、とんぼロケットを飛ばしたりもした。気の毒な昆虫や小さな生き物にしてみれば、人の世の終戦は遠い出来事に思えたことだろう。
あれから60年、Opaは何時の間にか本当のOpaになってしまった。そして今、蛙の復讐が始まったのだ。かつて大腸癌を患ったOpaは年に一度、注腸と呼ばれる大腸検査を受ける。今年もついにその日がやってきた。丸一日の絶食と数リットルの水。そして肛門から腹へ容赦なくバリウムと空気が送り込まれ、膨れあがった腹のX線撮影で診断を受けるのだ。普段は一方通行の大通りを大逆流するバリウムと空気。角度の変わる可動ベッドで、思い切り排泄したい強烈な違和感と絶望感に耐えねばならない。60年昔の蛙たちの苦痛を、Opaは図らずも今知ることになったのだ。思えば数年前、下血の不安を抱えて訪ねたその病院で、癌を見つけてもらったのもこの検査であった。とまれ、まさに風船蛙の苦しみを経て、Opaは命を救われたのではなかったか。そう思うと、蛙の復讐などと言えた義理ではない。仇を恩で返す、むしろOpaの恩人、いや恩蛙様、昔の仕打ちをどうかお許しいただきたい。
by mizzo301 | 2006-12-20 07:54 | エッセイ | Comments(0)

金縛りの夜

d0087054_10274093.jpg

金縛りって何ですか、フロイド博士に訊いてみたい。
ある深夜、傍らからむくむくと何者かが起きあがり、Opa強く押さえ込まれる。
漠として見えない相手が、上からOpaを睨みつける。
両手首を強く握って押さえられ、恐怖で声も出ない。
助けを呼ぶにも唇がかすかに震えるばかりである。
壁の時計がこともなげに時を刻んでいる。
どの位時間が経ったろうかついに恐怖は頂点に達し、何とか上体を起こそうと藻掻く。
すると突然ふっと何者かが消え身体が軽くなって、はっと我に返るのである。
だが両手首には、強く握り押さえられていた感触がはっきりと残っている。
しかも時計は先ほどまでと同じように時を刻み続けている。
夢か現か幻か、恐怖の残映でその後は眠れない。
だが横を向いて寝ると何故かこの悪夢は現れない。
気づいたOpaはそれから毎夜寝返りを打ちながら横向きに眠る。ところがそれでは目覚めた時必ずよだれを垂らしている。さらに手の置き所が実に落ち着かない。
特に寝返りで上になった方の手は布団の中でしばし宙ぶらりんである。
悪夢対策とはいえこれじゃ寝付きが悪くてしようがない。
そんなある日、ショッピングモールの幼児専門の店で大きなバナナを見つけた。抱き枕ッ!
早速購入試用開始、寝返りに多少問題はあるが、これで手の置き所はなんとか落ち着いた。
だがよだれは相変わらず垂れ放題、傾向と対策を求め、Opaもう一度例の幼児専門店を訪ねてみようと思っている。
by mizzo301 | 2006-12-17 10:30 | エッセイ | Comments(0)

???な注文

d0087054_17182750.jpg

蕎麦屋へ入った、2時過ぎの遅い昼食である。
仕事が昼で終わる日、Opaの楽しみは飲食街の徘徊、迷った挙げ句の天ぷら蕎麦である。
昼食時はとっくに過ぎて静かな店内、そこへ中年サラリーマン風男性そそくさと来店着席。「コーヒーをください」きっぱりと注文。ここはどう見ても和蕎麦の店である。蕎麦を食った後、もしコーヒーがあれば、ではなく断固コーヒーである。
それってカフェでざる蕎麦注文と同じくらい変じゃない。おまけにこの店のすぐ傍らにカフェがある。Opaの頭で???が点滅。
「お客様申し訳ございません、当店はコーヒーをお出ししておりませんので・・」丁寧な店の女の子の応対でそのお客あっさり退店。その後店員さんたち、何事もなかった様子でお茶を注いで回る。
もしOpaが蕎麦店員なら、そんなお客が去ったとたんに呟くだろう。「あのおっさん何考えとんねん」「ちょっとおかしいんちゃうか」などと仲間も受ける筈である。それが他のお客の小耳大耳にはさまり、あの禿げた店員好かんタコてなことで客足遠のき、やがてOpa店員の蕎麦屋は潰れる筈である。
だがここの店員さんたちは違う。お客のちょっとした見当違いにも丁寧な受け答え、その後揶揄の気配すらない。お店の教育もさることながら、若い店員さんたちのさり気ない接客センスにOpaいたく感心、この日一際うまい蕎麦を啜った。
by mizzo301 | 2006-12-14 17:22 | エッセイ | Comments(0)

檸檬

d0087054_23415799.jpg

近所に一本の檸檬、枝もたわわに実っている。冬空の下、そこだけが輝くばかりだ。他人様の物はとかくうらやましい。この木なからましかばとおぼえしか、徒然草の一節をふと思う。
実はOpaんちにも檸檬の木がある。それが大木のくせに全く実らない。腹立ち紛れに剪定をした。といってもOpaに剪定の心得はない。武士の一分エイヤッ、逆恨みの滅多切りである。あいや待たれい、枝葉の陰より声あり。なんと黄色に色づきかけた大粒の檸檬の実ががひとつ顔を覗かせた。我が家の檸檬はどうやら一人っ子であるらしい。あんたそんな所にいたんかいな危ないやないか、もうちょっとで首ちょん切るとこやがな。檸檬、無邪気に笑う。Opaは庭の卓子に剪刀を置いた。
 あたりに切り散らされ、踏みしだかれた枝葉から立ち上る檸檬の芳香と追憶。京都、昭和の初期であろうか、胸を病み青春の憂鬱を抱えて徘徊する高校生。薄暗い八百屋で買った檸檬一個、その凛とした佇まいに打たれる。丸善の書架から画集を抜いては様々に積み重ね、やがてその頂きに檸檬の時限爆弾を仕掛ける。梶井基次郎の短編「檸檬」。遠い読書が懐かしい。
by mizzo301 | 2006-12-09 23:45 | エッセイ | Comments(0)
d0087054_19355659.jpg

今朝、駅のトイレで清掃おばさんに一喝された。
「男はみんな兵隊に行けッ」男性用小便器の垂れこぼしをモップで拭きながら大声で繰り返す。その剣幕に居合わせた男共並びにその排泄器官は縮み上がった。まともに小便も出来ぬ奴は軍隊で根性を鍛え直せということらしい。駅では男性用便器の前にしゃがみ込んで内側を磨き、中の小さなパーツまで摘み上げて丁寧に洗う、そんなトイレお掃除おばさんを時々見かける。家のトイレ掃除もなるべく後回しにしたいOpaなど、そんな姿にはほんとに頭が下がる。便器のまわりを小便びたしにするなんて全く以ての外だと思う。ところがつい、先人のおこぼれをなるべく踏むまいとして発射位置が下がる、その繰り返しが「軍隊に行けッ」となるのである。
さらに高度高齢化社会日本、多くの老兵は死なず消えもせず、我が全土に隈無く配備されている。かつて彼らに支給された一挺の短銃はもはや古錆び、駅のトイレですらその性能を十分に発揮できない。「打ち方始めッ」は発射位置を前方にとれば、少々の遅延があっても遺漏はない。問題は「打ち方止めッ」である。この時止めた筈の老兵の意志とは別に、さらに何発かの弾液が床へ落下、さらにはズボンの内外を黄色に染色することすらある。これには後方兵站基地の弾液補給機構の老化などが深く関わっておるのは間違いない。故に老練の古参兵などは長時便器に佇み、弾液処理を十分確認後に短銃を格納することでこの問題を解決しておるのである。さらにこの短銃、終身携帯仕様であるゆえ、老兵各位がその機能保全のため整備に精励する他ない。
老兵Opaの悩みは深い。
by mizzo301 | 2006-12-06 19:46 | エッセイ | Comments(0)

ふたたび登場、鮒寿司殿

d0087054_01317.jpg

ふたたび鮒寿司をいただいた。もちろん近江人、木夏先生のご厚意である。
なんでもご実家の檀家さんが一年以上も漬け込まれた年季ものだという。
お寺の冷蔵庫から、Opaの為に一本ちょろまかして来たと仰る。
ああ、御仏になんと御礼申し上げたものやら、南無阿弥陀仏・・。
早速芋焼酎達を招き寄せ、老鮒寿司殿歓迎の宴を開く。
「遠路はるばる大儀でござった」「なんのなんの先ずは一献」
一口頬張る、熟成を尽くし切った醍醐味が奥床しく、いやでも芋焼酎を舌上に誘き寄せる。
前回の頂き物とはまた違う渋い魅力、枯淡、これが家庭の味なのであろうか。
かつての近江では鮒寿司にさぞかし様々な家庭の味があったのであろう。
などと想像を巡らすが、はやOpaの脳神経細胞は芋焼酎に酩酊攪乱破砕。
その夜夢枕に徒然草一巻を携えた兼好法師立ち現れ「よき友三つあり、物くるる友、医師、知恵ある人」とOpaの耳に囁いて消えた。
Opa第一のよき友が誰であるかはいうまでもない。
by mizzo301 | 2006-12-03 00:11 | エッセイ | Comments(0)