人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Opaの日々雑感


by mizzo301
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

文化に金を惜しむな、ハシモト君

文化に金を惜しむな、ハシモト君_d0087054_108063.jpg

 大阪センチュリー交響楽団に関する大阪府のアンケート結果を、先日の読売紙上で読んだ。記事からは在阪四楽団中三位という知名度の低さなど、楽団に不利な要件を府民の目にさらして、補助金削減を正当化したい大阪府知事ハシモト君の魂胆が透けて見える。府財政立て直しという大義名分をかざして、文化事業にまで補助金削減の大なたをふるおうとしているのである。だがこのアンケートには疑問が多い。まず対象が府民約八百八十万人中、無作為に抽出されたパソコンを使える千人であること。パソコンを使える府民という条件ひとつで、このアンケートはすでに正当性を欠いている。ましてやそこで在阪四楽団の知名度をうんぬんするのは、こじつけが過ぎて滑稽である。これら四団体はそれぞれの歴史と伝統をふまえ、それぞれの規模と特色をいかしつつ立派に活躍しているではないか。また、在阪四楽団は多すぎるというのもあたらない。オーストリアの人口は大阪府と同じおよそ八百万人、そこで13楽団が活動している。人口たった百六十万人のウィーンだけでも9楽団である。風土や歴史のちがう土地といちがいに比較できないけれど、官民挙げて音楽を愛する風土がうらやましい。ハシモト君が文化事業に無理解なコンコンチキだとはOpaは思わない。補助金削減も、破産状態にあえぐ府財政の立て直しにかける熱意に駆り立てられてのことであろう。だがすべての文化事業を削減すべき無駄と、簡単に片付けるのは納得がいかない。大阪にはお笑いの文化があるけれど、ワッハ上方がなくてもお笑いはなくならない。だが交響楽団はたんなる箱ものではない。おおぜいの生身の演奏家たちの職場なのである。補助金カットは、公務員の減俸などとはわけがちがう。このご時世である。そんなことになれば、たちまち家族もろとも路頭に迷う者がないとも限らないのである。きみはそこへ大なたをふるおうとしている。一方東京ではかの右巻き知事イシハラシンタロー君が、東京都交響楽団に九億円の支出を認めているという。なけなしの文化活動までも東京にひけをとるようでは、大阪人としてあまりにくやしいではないか、なあハシモト君。そのむかし、あまりの低賃金にたえかねて楽団を去った一老楽士として、はるかな後輩たちの身を案じずにはおれない。
by mizzo301 | 2009-07-02 10:14 | エッセイ | Comments(0)