Opaの日々雑感


by mizzo301
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

百塔の町は今・・

d0087054_16241843.jpg

 スメタナの名曲「モルダウ」を聴いて、まだ見ぬチェコ・スロバキアという国にあこがれた人は多いのではなかろうか。何をかくそう、若き日のOpaもその一人であった。二つの国に分離した今では、チェコ、その首都プラハの人気が旅行者には圧倒的に高い。夢に見たモルダウのとうとうたる流れ、見上げればプラハ城の偉容、聖人像の居ならぶカレル橋、町中に目立つ数々の尖塔、まさに百塔の町といわれる所以である。中世以来の人智をつくして築かれたこの景観に、感動をおぼえない人はいないであろう。京都や奈良と同じく、戦災を免れたこの古都の風景はまさに人類の宝である。今回はパックツーということもあって、現地の女性日本人ガイドさんが蘊蓄をかたむけてくださった。ある聖堂でコンサートの張り紙を見た時である。話はこの国の経済におよんだ。EU加盟でビザ撤廃、圏内の交流物流は改善されたものの、ひ弱な体力でユーロ圏加入は果たせず、その上に世界大不況の追い打ちにあい、チェコの経済は今やひん死の状態にあるという。もちろん国民の生活が楽なわけはない。だがガイドさんの口から低賃金ワースト3を聞いて驚いた。一位はダントツで音楽家、次に教師、そして医師の順なのだそうだ。だが音楽家には、このように教会などでの演奏で副収入の道がある。なすすべを持たない教師たちはストに明けくれ、医師は十倍はかせげるドイツに出て週末だけ帰国するというのである。したがって国内の医療機関は信用失墜、入院は恐怖ですよとガイドさんは苦く笑った。政府や行政の怠慢が、社会主義時代の給与体系を改善せぬまま放置してきた結果だという。この国の人々がこの町の風景にふさわしい、ささやかなゆとりの生活を手に入れるのはいつのことになるのだろう。
[PR]
by mizzo301 | 2009-04-22 16:25 | エッセイ | Comments(0)