ジュラシック・スクール
2008年 12月 06日
今年もはや年の暮れである。「十二月は先生がいそがしいて走り回るさかいに、師走や」と、六十年前の小学校で担任の先生に教わった。確かにいそがしい学期末ではある。最近は理不尽なモンスターママたちへの対応が、先生方をさらにいそがしくしていると聞く。友人Mさんは、大阪の名門女子進学校を四十年勤め上げた、温厚篤実の人である。彼が現役時代の経験を語ってくれた。ある納付金を数ヶ月未納の家庭に、事情をたずねてみようと電話をかけたそうだ。電話口に出た父親は、「我が家が滞納などするはずがない、人を馬鹿にするのもいい加減にせい」と、未納は学校の手違いと決めつけて頭ごなしに口汚くM先生をののしり、たかが中学高校教師の分際を知れといわんばかりの剣幕であったという。それにはさすがにMさんも頭にきたが、ぐっと心を静め「お手数ですが、もう一度領収書の日付をご確認いただけますか」というと,相手はぷっつりと無言になり突然母親にかわった。領収書は前年度のものだったのだ。だがその母親からも一言の謝罪もなかったというのである。その父親は大阪大学の教授であるという。さすがに立派である。見上げたものである。だがお登りの木を見上げてばかりでは、われら凡庸の首が疲れる。これら♂♀モンスターの攻撃にさらされている、全国のジュラシック学園の先生方には、まことにそのご苦労がしのばれる。
by mizzo301
| 2008-12-06 15:11
| エッセイ
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