Opaの日々雑感


by mizzo301
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焼き肉海岸、コートダジュージュ

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 子供時代は里山に近い暮らしであったから、海を見る機会は滅多になかった。海水浴など、一夏に一度もあればそれだけで一大事業である。まず前夜、母親即製の小さな巾着に、煎った空豆をつめる。これを水着の腰にぶら下げて泳ぐと、堅い空豆が適度にふやけて食べやすくなるというのである。昼食時は浜茶屋の桟敷を借りて、持参の梅干し入りおにぎりをほおばり、古い水筒で持参した茶を飲む。後は腰の巾着から取り出した空豆をかじる。食うことと海水のただならぬしょっぱさ以外当時の記憶はほとんどないが、珍しい海での体験は、少年Opaにも楽しかったはずである。
 奇しくも海辺に暮らして四十年、変容を続ける海岸の風景が目の前にあった。大阪に僅かに残る自然海岸も今や新しい海水浴場に変わってしまった。夏、ここには海を求める車の大群が押し寄せ、たちまち小さなテントが立ち並ぶ。そこここでバーベキューの煙が立ち始める。飲み物や食い物をを手に、子供も大人も煙の中ではしゃいでいる。行けども行けども焼き肉の香りと煙、日曜日の静かな夜明けの海岸は、わずか数時間でまるで難民キャンプさながらの大混雑である。人が豊かになるとはこういう事だったのか、これじゃコートダジュールならぬコートダジュージュ、焼き肉海岸である。おにぎりと空豆の時代が懐かしい。
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by mizzo301 | 2008-08-12 12:10 | エッセイ | Comments(0)