老犬逝く
2007年 12月 25日
犬が死んだ。昨夜の事である。その前から食べなくなり、わずかに水を飲んで横たわるばかりであった。やがて肛門と口からどす黒い体液が流れ出す。細い呼吸、時々四肢を前後に振るわせる。海岸を駆ける夢でも見ているのだろうか。旅立ちの近さは明らかである。遅い夕食を食べながら、老犬の旅支度を見守るほかはない。ついに体液の滲出はぴたりと止んだ。深い純白の毛並みにわずかな体温を残して、すでに呼吸はなかった。俗名ドン、享年18歳、静かな旅立ちであった。
Opaの人生には常に犬が居た。だが己の歳を思うと、これ以上犬を飼うわけにはいかない。ドンはOpaにとって最後の愛犬である。別れの辛さが身に沁みる。蕾をつけた椿の根方に、腰痛をおして深い墓穴を掘った。この家の周囲には何頭の犬が眠っているのだろう。だがもう犬の墓穴を掘ることはない。穴の底にドンの骸を置いて、土をかける。白い毛並みは瞬く間に見えなくなった。ゴム長で土を踏み固め、その上に花の鉢を置いて弔いは終わった。無宗教のささやかな家族葬である。だがクリスマスイブの夜に召された老犬には、神の福音があるのだろうか。
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腰痛アドバイザー
at 2008-01-27 12:03
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腰が痛いのは辛いものです。
私も14年間悩まされました。
私が考案した腰痛解消法をお試しください。
【3分腰痛解消法】で、検索すると見つかります。
腰をお大事に。
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by mizzo301
| 2007-12-25 12:49
| エッセイ
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Comments(1)