Opaの日々雑感


by mizzo301
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オーケストラに誘われて

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 高校時代からの友、二原ヒロシがオーケストラに誘ってくれた。聴くのではなく弾くのである。市民のためのクリスマスコンサート、モーツアルトとベートーベンの交響曲だという。いずれも大曲である。それにしてもOpa、K響を離れて四十数年、誘いは嬉しいがプロ奏者の中で今やバイオリンをまともに弾く自信はない。昔の仲間も大勢来るから気楽にやんなよ、と二原ヒロシはいう。その声に背中を押されてというと嘘になる。自信がないのは本当だが、やりたい感だけは身からこぼれるほどである。だがあっさり引き受けたのでは謙虚さが足りない、二三度渋い返事を繰り返す。だがそれ以上渋いふりをすると、それならと電話を切られそうになった。やりますやりますと、あわてて二つ返事。
 昨夕初めて練習場へ向かう。二原ヒロシと二人、バイオリンを提げて大通りを歩く。半世紀近い昔のK響時代、京都ではいつもこうだったなあ。懐かしさがこみ上げる。さらに練習場では、すでに年配者となった懐かしい面々と再会、いずれもK響を勤め上げたベテラン奏者達である。ふと昔の楽団に戻ったような気分になる。自信のなさからくる緊張と不安が大いに和らぐ。
 練習が始まった。お隣はコンサートマスターN村さんの令嬢A子さんである。タクト一閃、ベートーベンの厖大な音列が津波となって激しく押し寄せる。バイオリンを支えるOpaの左手は丸で金縛りである。一方A子さん初め、若い女性奏者たちの白魚のような指はバイオリン上を自在にはね回る。早いパッセージなどに何の困難も感じないらしい。もはや哀れな老奏者は禿頭にあぶら汗をにじませ、息も絶え絶えの体たらくである。これじゃ二日後のステージまで生存すらおぼつかない。などといいながら、本当は楽しかったのである。Opaにとってはデジャブのようなまさかの夢実現である。これは二原ヒロシがくれた人生最大のクリスマスプレゼントかもしれない。
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by mizzo301 | 2007-12-22 12:46 | エッセイ | Comments(0)