Opaの日々雑感


by mizzo301
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いわし雲

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 本町の釣具屋で新しいルアーをひとつ買った。それにしてもスズキはさっぱり釣れない。毎夕バイクで通う漁港には、スズキの好餌であるいわしが水面に沸き返っている。後はルアーを小魚に似せて泳がせるだけで、スズキは飛びつくはずである。昨秋は確かにそうだった。ところが今年は昨年と同じ好条件と見えるのに、未だ釣果はゼロである。いくら我慢強いOpaとてほとほといやになる。新しいルアーで釣れる保証はない。ただ少しは気分転換になればいいと思った。一つ選んで店を出た。ふと見上げると、ビルと高速道路に夾まれた狭い空にいわし雲。おおっ、海にはいわし、空にもいわし、今日はさい先が良さそうだ。Opaは帰路を急いだ。電車でもバッグからルアーの箱を何度も取り出して眺めた。その度に今日は釣れるぞという気分がわき起こる。帰宅するやいなやバッグを放り出し、着替えもそこそこに漁港へ向かった。ランドセルを放り出して、すぐ遊びに飛び出す小学生の気分である。夕暮れの港は相変わらず美しい。早速新しいルアーをセットして、水面を跳ねるいわし達の頭越しに第一投、これはルアーの泳ぎを確かめる為のテスト。巻き寄せて見ると、なかなかうまく泳いでいる。腰をくねらせて、どこかなまめかしくさえある。好色な魚を誘っておいで、いやらしい想念と共に第二投、後ろでパシッと音がした。堤防にルアーをぶつけたのだ。いつものことと気にしないでリールを巻くといやに軽い。ルアーが泳いでいないのである。不思議に思って取り上げてみると、プラスチックのリップがない。堤防にぶつけて折れてしまったのだ。釣れる予感で高揚していた気分が、竿をたった二度振っただけで一気に深い落胆へ急降下、その日も虚しく海岸を後にしたのであった。
 スズキ釣りにこだわるからいけない。この季節、必ず釣れるアジ釣りで今度こそ気分転換を計ろう。翌夕、近所で撒き餌を買ってまた港へ行った。釣れるわ釣れるわ、小一時間ほどで持って行ったポリバケツは、いわし、あじ、さばでいっぱいになってしまった。帰ると早速いわしの生姜煮、あじの南蛮漬け、大鉢にてんこ盛りのさばの煮付けが出来上がった。老媼との二人暮らしにはさすがに多すぎる。さりとて大切な地球資源、捨てる訳にもいかない。一日三度食べ続けて今日で三日、まだ減らないさばの大鉢を前に、ため息が止まらない。
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by mizzo301 | 2007-10-25 14:23 | エッセイ | Comments(0)