トイプードル、はなが死んだ日
2006年 09月 01日
梅雨空のある日、十五歳のトイプードル、はなが死んだ。
ほんの短時間、近所へ買い物に出かけている間のことだった。
五月晴れの日に、二、三日の命といわれて入院、庭の片隅の草を刈って埋葬の用意をした。
ところがその二、三日で病状やや回復、やがてわずかながら食欲も出だす。
弱々しいながら再び歩けるようにもなり十日ほどで退院、在宅療養である。
だが喜びもつかの間、その後は目に見えて衰弱、在宅二週間ほどで意識がだんだん薄れていくようだった。
Opaは彼女の死を覚悟して、もう獣医には行かなかった。
家で死なせてやりたい、いや、死んでほしいと思った。
日々の買い物など短い留守にも後ろ髪をひかれる思いで出かけた。
なのに彼女の死をみとってやれなかった、いや、やらなかったのだ・・
小雨の降りしきる中、再び草が伸び出した庭に、小さな墓穴を掘るのは簡単だった。
薄茶色に汚れきったまま硬直したはなの骸を、穴の底にそっとおいて土で覆った。
季節はずれのラベンダーの大鉢を、盛り土の上にドンとおいて小さな葬儀は終わった。
ほんの短時間、近所へ買い物に出かけている間のことだった。
五月晴れの日に、二、三日の命といわれて入院、庭の片隅の草を刈って埋葬の用意をした。
ところがその二、三日で病状やや回復、やがてわずかながら食欲も出だす。
弱々しいながら再び歩けるようにもなり十日ほどで退院、在宅療養である。
だが喜びもつかの間、その後は目に見えて衰弱、在宅二週間ほどで意識がだんだん薄れていくようだった。
Opaは彼女の死を覚悟して、もう獣医には行かなかった。
家で死なせてやりたい、いや、死んでほしいと思った。
日々の買い物など短い留守にも後ろ髪をひかれる思いで出かけた。
なのに彼女の死をみとってやれなかった、いや、やらなかったのだ・・
小雨の降りしきる中、再び草が伸び出した庭に、小さな墓穴を掘るのは簡単だった。
薄茶色に汚れきったまま硬直したはなの骸を、穴の底にそっとおいて土で覆った。
季節はずれのラベンダーの大鉢を、盛り土の上にドンとおいて小さな葬儀は終わった。
by mizzo301
| 2006-09-01 11:48
| エッセイ
|
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