久しぶりの京都
2019年 06月 18日
久しぶりに会いましょうという、なつかしい楽団時代の先輩の呼びかけで、十年ぶりに京都へ向かった。泉南の海辺の田舎から京都は祇園四条まで二時間で到着、意外と早い。駅近の料理屋に京響OB様のかんばん、ここやここや。部屋には老婆老爺八人、これでも元バイオリン奏者の集いである。中には五十年ぶりの人もいる。席は昔話で大盛りあがり、懐かしさ満タン。やがて話題は老眼鏡、補聴器にまでおよぶ。内6人がすでに寡婦であり寡夫ではあるが、無常観などとは無縁のにぎやかな八十歳前後である。話は尽きないが、再会を約してコーヒーで解散。ひとり四条大橋をわたる。ぐずり始めた足腰をなだめながら、河原町を上がり丸善書店をめざす。梶井基次郎の「檸檬」にまつわる、書店のレモン置き場の情報を確認したかった。BARというおしゃれなビルの地下に店はあった。そしてレジ近くに平積みの文庫本「檸檬」が置かれ、下の棚の小さなバスケットにしなびたレモンが数個ころがっている。がっかり、わざわざ見に来るほどの光景ではない。だが見ないといつまでも気になって仕方がなかろう。やっぱり来てよかったのかなあ。
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minohマダム
at 2019-06-18 22:42
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opaさまのキラリと光る名エッセイ、短い文章にひょうきん
な味も加わってしみじみ味わい深く、ページを開くのが楽しみです。
京都丸善書店が河原町通にあった学生時代、帰途、友人と立ち寄って、立ち読みしたことを懐かしく思い出します。
あじさいのエッセイはことさら胸に響きました。
私も一瞬子供に戻った気持ちになり、opa少年の心の動きをかんじました。先生にはひとこと聞いてほしかったです。
<なにかをあきらめたような顔で長雨に打たれている景色がいい>←素敵すぎます。
な味も加わってしみじみ味わい深く、ページを開くのが楽しみです。
京都丸善書店が河原町通にあった学生時代、帰途、友人と立ち寄って、立ち読みしたことを懐かしく思い出します。
あじさいのエッセイはことさら胸に響きました。
私も一瞬子供に戻った気持ちになり、opa少年の心の動きをかんじました。先生にはひとこと聞いてほしかったです。
<なにかをあきらめたような顔で長雨に打たれている景色がいい>←素敵すぎます。
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mizzo301 at 2019-06-19 11:25
madame
拙い文章に過分のコメントをいただき恐縮の極みです。丸善書店はビルの中ではありますが河原町のほぼ元あったあたりにありますよ。Opa
拙い文章に過分のコメントをいただき恐縮の極みです。丸善書店はビルの中ではありますが河原町のほぼ元あったあたりにありますよ。Opa
by mizzo301
| 2019-06-18 18:06
| エッセイ
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Comments(2)