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あしさいの季節

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 町内あちらこちらの庭や畑にあじさいが咲いている。わが家でも何十年来の古い株が、いくつも大輪の花をつけている。そんなあじさいたちが、なにかをあきらめたような顔で長雨に打たれている景色がいい。ところが今年は雨が少ない。ドンの散歩にはありがたいことではあるのだけれど・・。子供時代の思い出がある。母が庭のあじさいを切った花束を新聞紙にくるみ、少年Opaに学校へ持って行きなさいという。それまでのこわい男の担任の先生から、やさしい中年の女の先生にかわったばかりの5年生である。登校に余計なものを持つのもいやだったが、先生になんといって渡せばいいのかわからない。朝の教室にはまだ先生がみえない。今のうちに教室の前の先生の机に置いておこう。でもきっと先生はだれが持ってきたのかときくだろう。その時にはだまって手をあげようと決めた。ところが教室にみえた先生は、おはようございますのあいさつの後、だまって机上の新聞紙を開き、バケツに水をくんでそこへあじさいを活けられた。そしてその日のうちに花は花瓶に活けかえられて先生の机上にあった。そこに花のある間の何日か、だれが持ってきたのかときかれるのを、その時には手をあげようと、Opaは今か今かと待ったがついにその言葉を聞くことはなかった。こども心になにか釈然としないOpa5年生の日々であった。

by mizzo301 | 2019-06-15 17:16 | エッセイ | Comments(0)