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大きいレモン

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 でっかいレモンをひとつ収穫した。昨年は木に鈴なりだったレモンだが、秋の台風のせいもあってか、今年はわずか数個しか採れなかった。ところがそのうちの一個がめちゃでかい。ふつうサイズの三倍はある。色づき始めてから樹上でもひときわ目立っていた。さてこのデカレモンをどうしたものか。レモンといえば梶井基次郎の短編「檸檬」であろう。高校時代の読書で強く印象に残る一編である。作中の丸善は京都の楽団にいたころによくのぞいた。「檸檬」の主人公が、爆弾に見立てたレモンを本の上に置いて去った書店である。その店が閉店を予告したところ、主人公よろしく本にレモンを置いて立ち去る人が絶えなかったそうだ。近年その店が河原町に復活しているという。おまけに店ではレモンを置きたい人のために、わざわざレモン置き場を設けているそうだ。今も主人公を真似たい若者たちがいるほど、小説「檸檬」は人気があるのだろうか。それを確かめに、自家産のデカレモンを携えて京都丸善を訪ねたい気もするが、いかんせんOpaは年をとりすぎた。それにOpaの憧憬と追憶のすべては昭和の京都にある。平成の終わる日に、しみじみと昭和がなつかしい。

by mizzo301 | 2019-04-30 13:55 | エッセイ | Comments(0)