すずめのお宿
2019年 03月 24日
この辺りは海岸と山地にはさまれた土地のせいか、町内でいろんな鳥を見かける。山から下りてきたのか、近くの畑地でキジを見たこともある。海から飛んできた鵜が近所の屋根にとまり、首をのばして風見鶏を気取っていたりもする。その外にもOpaがその名を知らないさまざまな鳥たちを見かける。ところがどこにでもいそうなすずめを、なぜかこのところあまり見かけない。早朝から近所の電線でうるさく囀っていたすずめの群れはどこへ行ったのだろう。なにかの理由ですずめ人口は激減したのだろうか。そんなことを思いながらある朝ドンと散歩をしていたら、ちょっとはなれた電線にとまっているすずめたちが見えた。翌朝もその翌朝もそこにすずめはいる。だがなにか変である。すずめが等間隔に整列している。さえずりは聞こえない。近づいてよく見ると、それは鳥ではなかった。一見鳥に見える小さな黒い人工物が、電線に取りつけられているのである。あとで聞いて知ったのだが、それは鳥よけの細いケーブルを電線に取りつけるためのクリップだった。家の前の道路が、頭上の電線から降る鳥の糞害で困った人などが、電力会社に訴えると無料で工事にきてくれるそうである。てきめんに鳥たちは来なくなるという。すずめのお宿はどこだろう、おじいさんはさがしています、おばあさんはもういません。
by mizzo301
| 2019-03-24 18:08
| エッセイ
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