Opaの日々雑感


by mizzo301
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コンサートマスターが語る大指揮者

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 NHKの「旅するドイツ語」で、もとウイーンフィルのコンサートマスター、キュッフルさんが、何人かの指揮者について自身の体験を語っていた。なかでも晩年のカラヤンとのエピソードは感動的であった。ある練習の日、キュッフルさんは激しい歯痛に耐えながら弾いていたそうだ。練習が終わった直後に、カラヤンの楽屋に呼ばれ、いったいどうしたのだと眼をのぞき込むようにして訊かれる。実は歯痛でと応えると、彼はよかったといって安堵の笑みをうかべ、大切な人を亡くすなどなにか不幸を背負っているのではないかと心配したよといわれたそうだ。その頃のカラヤンはなにかをつかまえていなければ立っていられないほどよわよわしく、指揮台からは奏者たちとのコンタクトをしきりに求めたという。眼を閉じたまま指揮をするなど壮年期の孤高のイメージではなく、楽員たちとほんとうに心の通い合う音楽を演奏したのは、晩年のカラヤンであったかもしれない。心覚えがOpaにもある。若き日の京響にロシアの大作曲家ハチャトリアンがきた。その頃第2バイオリンの指揮者の真ん前にOpaはいた。ある練習でふと指揮者を見上げると、まともにハチャトリアンと目があった。なんとその一瞬、彼はニッと笑ってくれたのである。そのとき背筋に走った強い電流に、Opaは今だにしびれている。
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Commented by salam2002 at 2016-12-07 23:34
こんばんは。お久しぶりです。
良いお話ですね、うるっとしました。
by mizzo301 | 2016-12-06 18:41 | エッセイ | Comments(1)