旅する蝶
2016年 10月 12日
秋日和のいちにち、ドンを連れて妹を訪ねた。着くなり、アサギマダラが来ているからはやくはやくと庭で手招きをする。見ると荒れた庭のフジバカマの花に、青い蝶が群れている。アサギマダラは渡りをする蝶で、上空からこの花を見つけて、毎年一度は飛来するという。髙地ではよく見かけるから、あなたも登山できっと見たはずよと妹はいう。そうかもしれないがOpaに確信はない。渡りの習性がひろくしられて、近年急速に人気が高まっているそうだ。ウィキペディアをひらいてみた。なるほどそこには、蝶の意外な旅の記録がある。マーキング調査という方法で、蝶の翔の色のうすい部分に、マジックで捕獲地、日付、捕獲者を記入して放蝶するのだという。渡りの先々の捕獲者がそれを行うことで、その旅の記録がとれるのである。下呂市から宝塚、函館から下関市などどれも長旅のなかに、2011年の10月に和歌山県で放たれて、83日後に香港で捕獲されたという記録がある。いたいけな蝶がひとり、ひらひらと大陸を目指して大海原をこえていく。この可憐な生き物は、どんなロマンをもとめて海をわたるのか。不思議である。
by mizzo301
| 2016-10-12 19:42
| エッセイ
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