夜の訪問者
2014年 03月 31日
Opaの風邪で妹にあずけたドンはまだ帰らない。それを知ってか、裏庭のぬれ縁まで毎晩やってくる猫がいる。白と黒のツートンの毛並み、普段から家の周りでよく見かける猫である。普段はドンにほえたてられて、決して近づくことはない。それがOpaの寝る時刻、雨戸を閉じるためガラス戸を開きにかかると、足下近くにすわっている。逃げる気配はまるでない。野良猫とはいえ、顔立ちはとても愛くるしい。どこで何を食べて生きのびているのだろう。こんばんはと声をかけると、ミャオーと応える。面とむかっていいづらいが、気になっていることを訊いてみた。昨年末にOpaの大事な金魚を狩ったのはあんたかい。ミャオー。ああやっぱりそうだったのか。13日と14日のふつかにわけて一尾ずついただきましたというている。寒さとあまりのひもじさに耐えられなかったそうである。ミャオーのひと言でこんなに語れる、ねこ語って便利だなあ。じっとOpaを見つめる目に、悪びれたようすがまるでない。なにか食べ物をあたえて家にいれたい衝動をこらえる。つかの間の愛のめばえ、だがまもなくドンがもどる。そうしたらもうこんな身近には会えないだろうなあ。
by mizzo301
| 2014-03-31 22:57
| エッセイ
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