アラボー世代
2010年 06月 20日
すこし前のバラエティ番組、アラサー・アラフォー世代の芸能人たちの中に、さらに年配世代の男優が二人いた。それぞれアラバブ、アラダンなどという。バブル全盛期生まれがアラバブ、団塊の世代がアラダンなのだそうだ。さらに年配で、Opaのような幼少期に戦中を知る世代はなんと呼べばいいのだろう。この歳になれば、十年ごとの年代別アンケートなどでも七十歳以上などと、十把ひとからげに扱われることがほとんどである。社会的には論外の存在であるらしい。だが若い世代との決定的なちがいは幼年期の戦争の記憶であろう。米軍爆撃機B29の腹にひびく爆音、至近に落ちた爆弾一発でおおゆれに揺れた防空壕の暗闇、背中に絶え間なくふりかかる土くれ、せまい壕内には、生まれたばかりの妹もふくめて家族七人がいたはずだが、あまりの恐ろしさに声もない。爆撃が徐々に遠のいて、ようやく引きずり出してもらった外界は、硝煙と土煙で真昼なのに夜の暗さである。恐怖で腰がぬけてどうしても立ち上がれず、長い間畑の畝にへたりこんでいたのだった。要するに防空壕を知る世代である。アラボーとでも呼んでもらおうか。
by mizzo301
| 2010-06-20 23:39
| エッセイ
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