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Opaの日々雑感


by mizzo301
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いぬと人の老後は

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 先週の新聞記事である。65歳から84歳までのいぬを飼う人と飼わない人に関する調査結果が掲載されていた。両者一万一千人を4年間にわたり調べたところ、いぬを飼う人は飼わない人にくらべて要介護や死亡率が約50%、認知症の発症率が60%にとどまるという結果がでたという。ならば80いく歳のOpaがこうして普通に生きているのも、ドンがいつもそばにいてくれるお陰なのかもしれない。ご同輩よいぬを飼いましょう。そこで記事では老々譲渡、保護団体などからやや歳をへたいぬの譲渡を勧めている。いぬも中年にさしかかるとそれなりに成熟して、落ち着いて老人のお相手もできるようになる。そうして不幸ないぬが一頭救われ、だれかの老後に安穏をもたらす。人にもいぬにもそれぞれ事情があるだろうから,そんなにうまくいくのだろうかと人は疑問に思うかもしれない。だが、いぬが人に最高の癒しをもたらすことをOpaは知っている。それには人もいぬの癒しになることが大切だとOpaは思っている。

# by mizzo301 | 2024-02-25 23:59 | エッセイ | Comments(0)

ドン退院の午後

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 一週間の入院であった。会いにいくと見えない目でOpaの両手をさぐり当てて取りすがる。つながれた細い点滴の管が脚にからむのもかまわずにしがみつく。動物病院のバックヤードである。面会者が長居できる場所ではない。すがるドンをケージにむりやり押しとどめ、白く濁ったひとみが置いていかないでと訴えるのを振りはらうように去る。この一週間はそんな毎日をくりかえしていた。そしてついに先生がドンの腸のエコー画像にある黒い影を指して、この解明には全身麻酔で開腹しかない、今は大きなリスクをさけて退院、家での服薬で様子を見ましょう、と三種類の薬をもらって退院になったのである。ドンは家の寝床に安堵したのか、その夜は朝まで爆睡した。その翌晩、ワウワウと小声でOpaを起こしている。深夜二時過ぎ、久しぶりに夜のオシッコにつきあってやる。冬の雨がふる夜であった。

# by mizzo301 | 2024-02-05 00:10 | エッセイ | Comments(0)
おしっこに起きるのつらい?_d0087054_17300157.jpg

 近所の犬をつれた年より達の会話。あんた何回起きます。わたし2回、わたしゃ3回などと夜中のおしっこの回数を競っている。そしてつらいなあともいう。Opaは0回というと、うそやとみんながいう。ほんとである。おしっこで見栄をはるつもりはない。だが実はOpaも毎夜1~2度は起きる、というよりドンのおしっこに起こされる。年よりの犬は人と同じようにおしっこが近いらしい。夜中にワオワオと小さくないてOpaを起こす。その度にダウンを着てさらにどてらをはおりドンをだいて外に出してやる。用を足す間も待ってやらないと、眼がみえない耳が聞こえないから自分で部屋にはもどれない。この寒空で待つのはほんとにつらい。自分のおしっこで起きるのがつらいなどとという贅沢なじじいども、なにをほざいておるのだといいたい。本日ドンは入院しました。しばらく夜中に起こされることはないけど、それもまたつらい。

# by mizzo301 | 2024-01-26 17:32 | エッセイ | Comments(0)

石を食う犬たち

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 年明け早々のある朝、ドンが夜中に自分の吐いたらしい大量の粘液に顔をうずめたまま動かない。Opaびっくり、そっと身体にふれてみるとかすかにふるえが伝わる。よかった生きている。抱いて裏庭に立たせるとオシッコをしたが、歩けない。その後は何も食べない水も飲まないでうつぶせになって寝るばかり。新年早々開院の動物病院へ駆けつける。意外にも犬猫の患者で待合室はいっぱい。ドンはさっそく血液、尿、エコー、X線の検査を受ける。いつもの女性獣医さんがX線写真を指しながら、腸に石や土砂らしい物があり、それで炎症をおこしているのかもという。とにかく抗生物質の投与で十日間ほど毎日通院することになった。帰宅するとたまたま妹から電話、興奮したままのOpaはかくかくしかじかとドンの事を話した。すると妹は、兄ちゃんッだいじょうぶよ、78歳の老婆がOpaをこう呼ぶ。そしてかつての自分の愛犬リリーの話を聞かせてくれた。リリーはOpaも知るドンより小さなプードルの女の子であった。ある時リリーがけたたましくなき続けるので、X線写真を撮ったら体内に碁石らしき物がいくつも見える。そこで獣医のいう通り大量のバターを無理矢理食べさせたら、碁石を白黒白黒と順に排泄したという。ほんまかいな。Opaの気持ちはほんの少し軽くなったが、Opaの親友であったその獣医はもういない。

# by mizzo301 | 2024-01-18 23:41 | エッセイ | Comments(0)

裏庭の小さな紅葉

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 リビングのガラス戸ごしにささやかな紅葉がみえる。ここに住み始めたころに植えた小さなもみじが屋根を越えて高く育ってしまったが、Opaのために低い位置に小さな枝をのこしてくれたらしい。この小さな紅葉の小枝を見るといつも、「紅葉をたいて酒をあたたむ」という一節を思いだす。高校時代に習った漢詩であるが、この前後はおろか題名すらおぼえていない。なぜか高校生Opaはこの一節をいたく気に入り、やがて大人になって自分でもこの風流を実践したいと考えた。やがて飲酒年齢になると「紅葉をたく」はひとまずおいて「酒をあたたむ」の方に力をそそいだ。それからは酒をあたためたり冷やしたり、時には凍結までして研究にはげむことおよそ70年、アルコールはすべてOpaの胃袋に流れ込んだのである。そして今ごろ気がついた。Opaをここまでの大酒飲みにしたのは白居易の漢詩だったのだ。今宵また裏庭のささやかな紅葉をながめながら缶酎ハイをすすっている。Opaの人生に「紅葉をたく」風流はおこりそうにない。

# by mizzo301 | 2023-12-24 23:30 | エッセイ | Comments(1)