駅長さんは猫
2016年 12月 23日
小春日和のいちにち紀ノ川をわたり、和歌山電鉄貴志駅のニタマ駅長に面会してきた。二代目猫の駅長さんである。先代タマ駅長を記念して新築された、猫耳のある駅舎にガラス張りのゆったりした駅長室、そこにニタマ駅長は制服制帽をぬぎすて、毛皮の私服姿でヒーターに寝そべってくつろいでおられた。中国語の観光客が数人、しきりに写真を撮っている。被写体になるのも大事な仕事である。ご機嫌をうかがうと、すべて先代タマ駅長のおかげですニャンとお答えになった。なにせ先代タマ駅長は社長代理、執行役員にまで栄達をきわめた実業家である。猫の駅長就任は人気をよび、日本はおろか多くの海外メディアの取材までうけている。人気に乗じて、会社はイチゴ電車、タマ電車、おもちゃ電車、ウメボシ電車などアイデア車両を投入して集客につとめる。その結果は、和歌山県に年間で11億円の経済効果をもたらしたという。昨年のタマ駅長の告別式は神道でおこなわれ、電鉄社長と和歌山県知事が弔辞を奏上、3千人が別れを惜しんだそうである。ちなみに先代タマ駅長も現ニタマ駅長も女史、猫界きってのキャリアウーマンなのである。
by mizzo301
| 2016-12-23 17:48
| エッセイ
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